がんに起因する多臓器代謝異常に対する宿主アダプテーションのトランスオミクス解析
Publicly Offered Research
Project Area | Transomic Analysis of Metabolic Adaptation |
Project/Area Number |
20H04842
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河岡 慎平 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定准教授 (70740009)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
|
Keywords | がん悪液質 / 代謝異常 / マウス遺伝学 / 宿主因子 / メタボローム / トランスクリプトーム / マルチオミクス / アダプテーション / がん / 代謝 / 代謝アダプテーション / マウス |
Outline of Research at the Start |
我が国では、年間少なくとも37万人が、根治不能ながんを抱えたままの生活を余儀なくされている。根治不能ながんは脂肪や肝臓、筋肉などの代謝臓器にさまざまな悪影響を与え、全身性の代謝障害をひきおこす。しかし、がんが根治不能と判断されるような場合であっても、代謝障害の全てがすぐに顕在化し、生命に危険が及ぶわけではない。このことは、宿主が、がんによる撹乱にアダプテーションし、生命を維持するしくみを備えていることを示唆する。本研究は、マウスの遺伝学と多階層オミクス解析をくみあわせて、がんに起因する撹乱に対する宿主アダプテーションの全貌を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
根治不能となってしまったがんは、やがて、宿主個体にさまざまな悪影響を及ぼす。たとえば、筋肉・脂肪・体重の減少、食欲の低下、肝臓の代謝異常、免疫系の変容などを例として挙げることができる。その一方で、がんが根治不能であるからといって、個体がすぐに死に至るわけではない。このことは、がんをもつ個体が、がんによって生じる変容にアダプテーションしている可能性を示している。つまり、がんをもつ個体において観察される変容は、がんによって生じている不調である可能性と、がんに対する宿主のアダプテーションである可能性がある。本研究では、新学術領域「代謝アダプテーション」の一員として、がんによって生じる代謝異常に対して個体がどのようにアダプテーションするのかを明らかにしようとした。
本研究では、がんをもつ個体で観察される変容 (がんを持たない個体との違い) を、宿主の異常・撹乱とアダプテーションとして切り分けることを試みた。具体的には、がんをもつ個体の宿主臓器の状態をマルチオミクスによって記載する。各々の変容に重要でありうる宿主因子を絞り込み、これを欠失あるいは過剰発現させる。その上で改めてがんを発生させ、がんによる変容及び個体の不調が緩和あるは増悪するかを調べた。
その結果、肝臓や脂肪といった複数の臓器において、がんによる撹乱とアダプテーションを切り分けること、また、撹乱・アダプテーションに重要な宿主因子を複数同定することができた。得られた成果は論文として投稿済みである。本研究により、がんによる撹乱と宿主のアダプテーションのせめぎ合いの一端が明らかとなった。本研究で確立したアプローチを発展させ、がんに起因する個体の不調という複雑な現象を一つ一つ丁寧に切り分けていきたいと考えている。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)