Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
タンパク質の可逆的リン酸化は細胞内のシグナル伝達においてもっとも重要な翻訳後修飾の一つである。ヒトでは、500種類以上のタンパク質リン酸化酵素(プロテインキナーゼ)が存在しており、代謝制御においても重要な役割を果たしていると考えられるが、その機能については十分明らかにされていない。本課題では、タンパク質リン酸化酵素(プロテインキナーゼ)自身の活性制御部位を含むリン酸化ペプチドを高感度検出法の開発と、特定のキナーゼに対して高い選択性を有する人工基質ペプチドの創出を行い、代謝制御における各キナーゼ活性をキノーム(全キナーゼ)レベルで評価することを研究目的とする。
タンパク質リン酸化酵素(プロテインキナーゼ)の活性制御部位について、その部位を含むリン酸化ペプチドを高感度に検出する手法を開発し、代謝制御における各キナーゼ活性を定量的に評価することが本課題の研究目的である。本年度の研究において、リン酸化プロテオーム解析の高深度化を図るため、前年度にひきつづき、配位子交換クロマトグラフィーを用いたチロシンリン酸化ペプチド濃縮法の開発および条件検討を行った。チップ型カラムと流速の最適化、溶出時の分画を行うことにより、リン酸化チロシンに対する選択性、チロシンリン酸化ペプチドの回収率およびリン酸化チロシン同定数を向上させることに成功した。さらに、リン酸化プロテオーム解析の高深度化法として、タンパク質キナーゼがそれぞれに特有のリン酸化モチーフを有することを利用し、特定のキナーゼを用いたin vitroキナーゼ反応によりリン酸化されたトリプシン消化ペプチドを同重量体タグで標識したものを混合して測定することにより、通常の測定では同定が困難な微量リン酸化ペプチドを効率よく同定する方法を開発し、Cell Reports Methods誌に発表した。キナーゼ阻害薬や成長因子で摂動を与えた細胞に対して、人工基質ペプチドを用いた活性計測および改良したリン酸化ペプチド濃縮を用いたリン酸化プロテオミクスを実施し、いくつかのキナーゼについて、活性制御部位の同定を行った。その部位をターゲットにした高感度測定法を開発した。現在、対象キナーゼを拡張し、全キナーゼ(キノーム)レベルで活性を高感度に計測する手法の開発を進めている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (6 results) Remarks (3 results)
Cell Reports Methods
Volume: 2 Issue: 1 Pages: 100138-100138
10.1016/j.crmeth.2021.100138
120007187415
Mol Cell Proteomics
Volume: 20 Pages: 100119-100119
10.1016/j.mcpro.2021.100119
https://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/seizai/
http://seizai.pharm.kyoto-u.ac.jp/kinapple/