Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
イネ科植物の茎の節間基部には介在分裂組織(intercalary meristem: IM)が存在する。IMはタケに見られるような劇的な節間伸長を可能とし、また草丈を制御するための育種上重要な標的となってきた。しかし、その成長の基盤となるIMの発生過程の理解は進んでいない。本研究では、IMの発生過程における細胞系譜の解明と幹細胞・ニッチの存在の検証、また発生過程を通じたトランスクリプトーム・遺伝子機能解析をおこなうことで、IMの発生機構の全貌を浮き彫りにし、将来的な穀物の倒伏耐性の改良にむけた基礎的知見を得ることを目指す。
イネの茎における節・節間の形成機構を解明するため、以下の項目を遂行した。【茎の発生過程におけるクローナル解析】前年度確立したGUSクローン誘導系を用いて伸長節間形成前後においてGUSセクター誘導実験を行った。得られたGUSセクターを構成する細胞のアイデンティティをもとに、初期の茎を構成する細胞の分化予定地図を作成し、節・節間への分化決定時期を特定した。また、節間形成における幹細胞の存在を検証すべく、節間形成初期にGUSセクター誘導実験を行ったが、サンプル数が十分でなかったため明確な結果を得るには至らなかった。GUSクローン誘導系イネの種子を増殖したのちに引き続き実験観察を行い、節間形成初期の細胞由来のセクターが成熟節間において最終的にどのような分布を示すか明らかにする予定である。【KNOX転写因子の機能解析】KNOX変異体の茎における発生異常を組織切片・microCTを用いて詳細に観察し、KNOXは節・節間のバランスを規定することを明らかにした。また前年度作成したKNOX変異体で発現異常を示す遺伝子群の変異体解析およびKNOXのChIP assayを行い、節・節間形成過程におけるこれら因子とKNOXの制御関係を明らかにした。さらに上記因子群との関連から、pulvinus(節と隣接した重力屈性をになう葉の構造)の形成に不可欠な働きをもつ機能分化したKNOXが存在することがわかった。以上の結果より、これまで未知であった節・節間の分化過程における主要な分子メカニズムが明らかとなった。現在論文発表に向けて準備中である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results)
Plant Biotechnology
Volume: 39 Issue: 2 Pages: 139-146
10.5511/plantbiotechnology.22.0120a
Rice
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 24-24
10.1186/s12284-021-00468-x
Breeding Science
Volume: 71 Issue: 3 Pages: 291-298
10.1270/jsbbs.21005
130008069069
Volume: 13 Issue: 1 Pages: 33-33
10.1186/s12284-020-00394-4