代謝変化に伴う迷走神経性炎症制御の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
20H04943
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 啓 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (50397832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 肝臓 / 迷走神経 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 |
Outline of Research at the Start |
ホルモンや栄養素といった代謝環境の変化は、直接的に臓器炎症を誘導するだけでなく、迷走神経を介して間接的にも炎症応答を制御する。また、過栄養では、代謝環境変化による迷走神経応答が消失し、恒常的な抑制状態を呈する。過栄養での肝臓慢性炎症として、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が知られているが、NASH発症メカニズムに、過栄養による迷走神経制御異常が関与する可能性が考えられる。しかし、迷走神経性の炎症応答制御のNASH発症における役割およびそのメカニズムは、十分に解明されていない。そこで、本研究課題では、代謝変化に伴う肝臓炎症応答と迷走神経によるその制御を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ホルモンや栄養素などの代謝環境の変化は、直接的に臓器炎症を誘導するとともに、脳・自律神経を介して間接的に炎症応答を制御する。また、脳・自律神経による炎症応答制御は、生理的な糖エネルギー代謝恒常性維持に中心的な役割を果たしている。迷走神経による炎症応答制御は、脳・肝連関を担っており、肝糖産生を制御する。研究代表者らは、過食・過栄養において、脳・肝連関が破綻すると、肝糖産生の制御障害とともに、脂肪肝の増悪を来すことを見出した。迷走神経は、α7型ニコチン作用を介したクッパー細胞制御を介して、肝糖産生を制御する。井上らは、クッパー細胞α7型ニコチン受容体作用を介した脳・肝連関の障害が、肝糖産生の制御障害のみならず、肝脂肪蓄積・肝炎症を増悪することを見出している。実際に、α7型ニコチン受容体欠損マウスでは、過栄養負荷条件において、脂肪肝と肝慢性炎症の両者が増悪した。 脂肪肝における肝慢性炎症に、脂肪化に伴う肝細胞死が関与している。肝細胞の死様式として、炎症誘導作用の弱いアポトーシスと強い溶解性細胞死が知られている。研究代表者らは、過栄養による脂肪肝の重症化に伴い、細胞死様式がアポトーシスから溶解性細胞死へと変化することを見出した。この脂肪肝での細胞死様式の変化は、転写因子ATF3発現量に依存する。ATF3の発現は、軽度脂肪肝では軽微だが、高度脂肪肝では増加する。また、肝臓ATF3欠損マウスでは、脂肪肝での溶解性細胞死が減少し、炎症が軽減し、一方で、肝臓ATF3過剰発現マウスでは、脂肪肝での溶解性細胞死が増加し、炎症が増悪する。肝臓でのATF3発現が、迷走神経活性化障害と密接に関与する。このことは、過栄養における迷走神経性臓器連関の障害が、肝細胞死様式の変化を介し、肝慢性炎症を増悪する可能性を示唆している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
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[Journal Article] GCN2 regulates pancreatic β-cell mass by sensing intracellular amino acid levels.2020
Author(s)
Kanno A, Asahara SI, Furubayashi A, Masuda K, Yoshitomi R, Suzuki E, Takai T, Kimura-Koyanagi M, Matsuda T, Bartolome A, Hirota Y, Yokoi N, Inaba Y, Inoue H, Matsumoto M, Inoue K, Abe T, Wei FY, Tomizawa K, Ogawa W, Seino S, Kasuga M, Kido Y.
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Journal Title
JCI Insight.
Volume: 5
Issue: 9
Pages: 128820-128820
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Hollow fiber-combined glucose-responsive gel technology as an in vivo electronics-free insulin delivery system.2020
Author(s)
Matsumoto A, Kuwata H, Kimura S, Matsumoto H, Ochi K, Moro-oka Y, Watanabe A, Yamada H, Ishii H, Miyazawa T, Chen S, Baba T, Yoshida H, Nakamura T, Inoue H, Ogawa Y, Tanaka M, Miyahara Y, Suganami T.
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Journal Title
Commun. Biol.
Volume: 3
Issue: 1
Pages: 313-313
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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