Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
令和2年度は,炎症(特に肺線維症)進行に伴う変化に重要な役割を果たす遺伝子の候補を発見するためのランキング手法の開発を行う.これには,申請者が近年提案したレビュー作成者ランキング手法を応用する予定である.令和3年度は,前年度に開発した手法で得られた遺伝子候補の,特に初期応答時における有用性の検証のため,ベンチマーク評価を行う.具体的には,まず,各時点で得られた遺伝子候補の時系列的変化を分析し,特に未病の分析につながる初期応答時に重要な役割を果たしている可能性の高い遺伝子候補を得る.その後,重要な役割を果たすことがすでに知られている遺伝子が,得られた候補集合に含まれているかを調査していく.
令和3年度は,時系列的単一細胞遺伝子発現データを,前年度までに収集したものに加えて,本研究費を用いて長浜バイオ大学・小倉教授等と協力することでさらに拡充した.炎症進行に伴う変化に重要な役割を果たす遺伝子の候補を発見するための遺伝子相関ネットワーク上のランキング手法として,正負の重みの辺(それぞれ遺伝子同士の細胞内発現量の正の相関と負の相関に対応)を同時に用いた手法を提案し,筑波大学・島野研究室,東京大学・村上研究室,東京理科大学・松島研究室等からのフィードバックを得て,改良の方針を策定した.さらにランキング以外の手法として,Web上の関連ページ群発見手法であるLouvain法を遺伝子相関ネットワークに適用し,遺伝子のクラスタリングを行うことで,炎症進行メカニズムの既知の成果に対して整合する機能を持つ遺伝子群の分類が可能になることを示した.また,PCAと(異常検知に使われてきた)deviation netを組み合わせた深層学習を用いて,発病前の細胞と炎症初期段階の細胞とを分類する手法も提案し,上記の単一細胞遺伝子発現データに対して性能検証実験を行い,既存の分類手法より高い精度が得られることを確かめた.結果として,生物学的にはまだ未検証の点は多いものの,遺伝子相関ネットワークが単一細胞遺伝子発現データに対する(ランキング,クラスタリング等のデータマイニングや機械学習的手法を含む)ネットワーク分析の基盤として有用であることを確かめたと言える.これらの結果について,ランキング関連のものについては論文にまとめ,国際会議BIBM 2021の査読付きワークショップに採録された.また分析に必要なネットワークアルゴリズムに関する成果を査読付き国際会議SFDI2021の招待論文として発表した.さらに他の結果についても,論文投稿準備中である.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 1 results)
IEICE Transactions on Information and Systems
Volume: E103.D Issue: 5 Pages: 949-957
10.1587/transinf.2019DAP0005
130007839138