Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、スーパー間氷期の気候変動研究に資する目的で、海洋酸素同位体ステージ(MIS)5eとMIS 11を対象に、宇宙線変動に基づいて陸海の古気候記録を同期させる。具体的には、ドームふじアイスコアと海底堆積物コアからそれぞれ宇宙線生成核種10Beの連続記録を得て、双方に共通する変動の特徴を対比することにより、陸海同期を実現させる。当該領域の複数の計画班にて、MIS 5e/MIS 11スーパー間氷期の研究が計画されている。本研究は、これらの班と連携し、陸海古気候記録の精密な同期を提供することで、領域研究の一層の推進や氷床・海洋・気候の統合的モデリングによる新たな研究の創造に貢献する。
昨年度に引き続いて、酸素同位体ステージ5eとその直前のターミネーション2を対象に、南大洋インド洋区のデルカノライズにて採取されたKH10-7 DCR-1PCコアより500年解像度の10Be記録を得た。これを、南極ドームふじアイスコアの約50年解像度10Be記録と対比することで、陸海古気候記録を同期させた。本領域の氷床班にて、ドームふじアイスコアに対して、新たに精密な年代モデルが構築されている。本年度は、10Beによる同期に基づいて、この年代モデルをDCR-1PCコアに転写した。また、酸素同位体ステージ11とその直前のターミネーション5を対象に、ドームふじ第二期深層コアの10Be分析を行った。さらに、KH10-7 DCR-1PCコアでは、両極のアイスコアにて顕著な10Beの増大ピークが認められている約4万年前のラシャン地磁気エクスカーション周辺を対象に、500年解像度での10Be分析を行った。その結果、エクスカーションに伴う明瞭な10Beの増大ピークが確認できた。10Beピークの特徴は、北極グリーンランドGRIPアイスコアにて認められたものと比べて、南極EPICAドームCアイスコアで認められたものによく一致していた。この事実は、同一半球から得られた陸海10Be記録を用いることで、より精確な同期が可能となることを示唆する。本年度までの成果の一部を日本地球化学会第68回年会や第15回加速器質量分析国際会議にて発表した。さらに、本年度に得られた成果をまとめて、本新学術領域研究の年次報告会にて発表した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results) Remarks (1 results)
http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~kh/