Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
メタ認知は, 自身の思考内容についての認知のことである。一般的に,認知状態のモニタリングとそれを 手がかりとするコントロールの二つの側面に分けられる。本研究では,後者のメタ認知的について,正解を導くのに必要な情報を収集するという情報希求行動に注目し,それを指標にして内省のしくみを明らかにする。
現在、遂行中の課題について、動物は課題が十分に容易なものか、あるいは課題を解決するための知識を十分に持ち合わせているかを内省し、解決できないと判断される場合には、課題解決のために適切な行動調整を行うだろうか。本研究では、標準的な実験動物であるマウスを対象に、視覚弁別課題遂行中の情報希求行動について検討した。第一の実験では、輝度弁別課題遂行中の情報希求行動を検討した。まず、輝度弁別を訓練し、輝度差が小さいほど弁別が困難であることを確認した。その後、導入した情報希求試行では、輝度弁別と同時に情報希求選択肢を呈示した。情報希求試行では、マウスは情報希求することにより、誤答選択肢が消失するため、その試行では必ず正答できた。あるいは、マウスは情報希求せずに、輝度弁別課題に解答することもできた。もしマウスが輝度弁別課題に関する自身の確信度を手がかりに情報希求するならば、輝度差が小さい試行よりも大きい試行で高頻度の情報希求行動が生じることが予想された。さらに、訓練とは異なる新奇場面でも、課題の難易度に応じて、適切に情報希求行動が生じることが予想された。結果、予想されたように弁別難易度が高いほど、情報希求率も高くなった。しかし、その後のテストでは、マウスの情報希求行動は、課題の難易度ではなく、刺激輝度を手がかりとしていたことが明らかになった。第二の実験では、線分の角度弁別課題遂行中の情報希求行動を検討した。まず、角度差が小さいほど弁別が困難になることを確認した。情報希求試行では、弁別が困難な試行ほど、情報希求率も高くなった。しかし、詳細にデータを検討したところ、呈示された刺激数が多く画面全体の輝度が高いときほど、情報希求も生じやすいことが明らかとなった。これらの結果は、動物が内省手がかりを用いると考えられる場面においても、実験者が想定しなかった手がかりを用いる可能性があることを示唆する。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)
Journal of Experimental Psychology: Animal Learning and Cognition
Volume: - Issue: 3 Pages: 274-280
10.1037/xan0000291