Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
言語進化の初期段階で使用されていた語彙が、イデオフォンであったという可能性について考察する。具体的には、イデオフォンの使用方法(例.擬音語や擬声語が述部になりにくい、比較構文を形成しにくい)を通常の語彙と比較して検討する。また、イデオフォン使用の特徴として、自分の気持ちや現状を生き生きと表すという側面があるが、この活用が定型発達児と自閉症スペクトラムの幼児とでどのように質的に異なるのかという点を分析し、こころの理論の発達について考える。
本研究の目的は,「階層性」と「意図共有」を2つの柱とし,コミュニケーションの未来と人類の在り方を提案することを目的とする共創言語進化学の設立に貢献することだった。本研究では,イデオフォンと呼ばれる音象徴の効果を持つ言葉や間投詞,文末助詞など語彙範疇に含まれない語彙の研究を通して,階層性に関する理論的研究を行った。また,自閉症スペクトラムの幼児のイデオフォンを使用した意図共有の違いを調査し,コミュニケーションのあり方についても研究を行う予定であった。イデオフォンはさまざまな言語で観察され,音声と指し示す概念との間に類像性に基づく関係があると考えられている。また,文末助詞や間投詞にも特別なイントネーションや感覚的な意味が感じられ,これら類像的な表現の研究を通じて,言語の階層構造がどのように進化したのかを理論的に考えるという目的があった。言語現象に関する研究結果としては,イデオフォンには強意的な意味が込められる場合には形態的に特殊な形が観察されるだけではなく,統辞的には単純な構造になりやすいということが分かった。これは文法的統合性という観点から段階性を持っているということが指摘できる。また,イデオフォンは自閉スペクトラム症児でも使用するが,それに伴うジェスチャーや視線などに違いがあるということがわかった。さらに,文末助詞の「ね」の使用頻度に関して統計的に分析したところ,明らかに自閉スペクトラム症児が使用しない傾向にあるということもわかった。この違いについては,文末助詞が表す談話機能の違いに還元することができると考えられ,今後はこの記述を精緻化していく研究を進めていく。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 2 results) Book (3 results)
Japanese/Korean Linguistics
Volume: 29 Pages: 209-223
CLS
Volume: 56 Pages: 219-232
Studies in English Literature
Volume: 98 Issue: 0 Pages: 190-194
10.20759/elsjp.98.0_190
130008145841