Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
われわれは最近、仔魚期であればゼブラフィッシュの胸ビレ内骨格部分も再生することを発見した。胸ビレ内骨格部分は、形態こそ異なるが前肢内骨格と相同な部分であり、この小型魚類は幼生時期であれば四肢相同部分の原基を再生できるのである。この発見を受けて、本研究では魚類の胸ビレを用いて「魚類の四肢相同構造の再生における、細胞の脱分化・再分化過程を単一細胞レベルで可視化し機能解析する」ことを研究目的としている。
本研究では魚類の胸ビレを用いて「魚類の四肢相同構造の再生における、細胞の脱分化・再分化過程を単一細胞レベルで可視化し機能解析する」ことを研究目的としており、この目的を達成するため3つの項目を設定した。そのそれぞれに関して、当該年度は以下の研究を実施した。1.トランスクリプトーム解析まず、遺伝子発現の変化の全体像を把握するために、組織全体のRNAseq(bulk transcriptome)解析を行った。その結果、再生前後さらに再生可能期と不可能期において、いくつかの遺伝子が特異的に発現上昇することが判明した。とくに再生可能期と不可能期において、筋肉など間充織細胞の遺伝子発現が異なることが顕著だった。そのうちの候補遺伝子いくつかについてCRISPR/Cas9系を用いたKO解析を行った。bulk transcriptome解析の結果から、間充織細胞に焦点を当ててSingle cell transcriptome解析を進めることとした。2021年度第2回「先進ゲノム支援」に採択され、Single cell transcriptome解析が実施可能な状態となった。再生前後におけるゼブラフィッシュ胸ビレ間充織細胞の単一化実験系の構築を進めた。2.単一細胞系譜解析系の構築器官再生における幹細胞の生成過程において、細胞分化マーカー発現の消失と未分化マーカー出現の時系列(タイミング)の理解や、細胞分化過程における個々の細胞の特徴の時間的推移など、個々の細胞レベルでの経時観察のために、72時間にわたりゼブラフィッシュ胸ビレを蛍光顕微鏡で経時観察する実験系を構築した。麻酔方法(麻酔薬の濃度や水流速度)など至適条件の選定に困難を生じたが、長時間経時観察できる実験系を構築できた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results) Presentation (1 results)
Scientific Reports
Volume: -
The EMBO Journal
Volume: 40 Issue: 4 Pages: 1-1
10.15252/embj.2020105375
Developmental Dynamics
Volume: - Issue: 10 Pages: 1410-1419
10.1002/dvdy.332
Development, Growth & Differentiation
Volume: 63 Issue: 3 Pages: 189-198
10.1111/dgd.12721