Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
スムーズな認知や運動を実現する機構として、大脳基底核を含む複数の脳構造の情報の流れが一方向性で滑らかな動物の行動を生み出していると考えられる。しかし、実際に動物が行動課題を行っている最中にどのような情報がやり取りされているか、すなわち情報動態はいまだ明らかでない。本研究では、並列な大脳基底核ループの神経活動を同時に計測し、神経活動に含まれる情報を定量したうえで、ループ相互での情報の流れとして定量することで、大脳基底核ループにおける情報動態を明らかにする。
スムーズな認知や運動を実現する機構を理解する目的で、大脳基底核を含むループ構造における情報の流れを明らかにしようとしている。特に、複数のニューロピクセル電極による同時記録によって並列する複数の大脳基底核ループから神経活動を同時に記録することで一連の行動における大脳皮質―基底核の情報動態の全体像を明らかにしようとしている。昨年度、頭部固定下のラットを用いて行動課題として、目の前のモニタに右と左にコントラストの異なる視覚刺激を提示し、コントラストの高い方の刺激がどちらかを判断し、左右どちらかのボタンを押すという行動課題を確立した。訓練後のラットでは最も判別しやすい刺激において、80%程度の成功率を示した。また、感覚刺激の区別しやすさによって成績がシグモイド状に変化する心理測定曲線を描くことができた。今年度はこの課題を実行中のラットから、ニューロピクセル電極による記録を進めた。2本のニューロピクセル電極から同時に記録し、大脳皮質運動野、帯状皮質、及び背内側線条体、背外側線条体の4か所からの記録を成功させた。この過程で、正確な刺入を成功させるために使用しているLong-Evansラットを用いたラットアトラスを作成し、研究所紀要に発表した。また、行動パラメーターとの対応付け、動物の行動を収めたビデオカメラ記録との同期も行った。生データからはkilosortとphyを用いてユニットを分離し、行動のデコーディングなどの解析を進めている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Open Access: 4 results, Peer Reviewed: 3 results) Presentation (11 results)
玉川大学脳科学研究所紀要
Volume: 15 Pages: 19-27
bioRxiv
Volume: -
10.1101/2021.08.31.458461
eneuro
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 1-20
10.1523/eneuro.0567-20.2021
PLOS ONE
Volume: 15 Issue: 6 Pages: e0234930-e0234930
10.1371/journal.pone.0234930