Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
光化学系IIは光による損傷を受けやすいが、修復機構によって速やかに修復される。申請者らは、これまでに光損傷に関する新たなモデル「Two-step機構」を提唱し、修復を制御する新たな機構を発見してきた。本研究では、シアノバクテリアを研究材料として、Two-step機構の実態を解明するとともに、水分解を触媒するマンガンクラスター(Mn4CaO5)および反応中心の修復機構を明らかにする。
光化学系II(PSII)は光による損傷を受けやすいが、修復機構によって速やかに修復される。研究代表者らは、これまでに光損傷に関する新たなモデル「Two-step説」を提唱し、修復を制御する新たな機構を見出してきた。Two-step説では、紫外線や青色光によって酸素発生系マンガンクラスターが損傷を受け(第一段階)、その後クロロフィルが吸収する可視光によって反応中心が損傷を受ける(第二段階)ことが推定されている。本年度は、Two-step機構の詳細および光損傷からの修復機構を明らかにするため、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803から単離したチラコイド膜に強力な紫外線(UV-A; 365 nm)を照射し、酸素発生および人工電子受容体DCIPの還元速度を指標にPSII活性を測定した。チラコイド膜にUV-Aを50秒照射すると、PSII活性は元の約10%にまで低下した。その際、PSII全体(H2O→DCIP)と反応中心(DPC→DCIP)の反応を比較すると、前者の方がより速く低下したため、酸素発生系が反応中心よりも先に損傷を受けていることが確認できた。次に、チラコイド膜にDPCの存在下でUV-Aを照射すると、H2O→DCIP反応 は著しく低下したが、DPC→DCIP反応 はほとんど低下しなかった。したがって、PSII反応中心は無傷な状態で酸素発生系のみが損傷した「損傷中間体」を得ることができた。さらに、UV-A照射したチラコイド膜にMn2+やCl-、ATP、細胞の可溶性画分を同時に添加すると、PSII活性は著しく回復した。可溶性画分を熱処理してから添加すると、PSII活性の回復は見られなかった。したがって、酸素発生系の再生には可溶性画分に存在する何らかのタンパク質性因子とATPが必要であることが示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (10 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 10 results, Open Access: 7 results) Presentation (18 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 3 results) Book (1 results)
The Journal of General and Applied Microbiology
Volume: 68 Issue: 4 Pages: 169-174
10.2323/jgam.2022.01.003
Plant and Cell Physiology
Volume: - Issue: 4 Pages: 1-10
10.1093/pcp/pcab023
Volume: - Issue: 4 Pages: 721-731
10.1093/pcp/pcab030
Antioxidants
Volume: 10 Issue: 10 Pages: 1635-1635
10.3390/antiox10101635
Nature Plants
Volume: 6 Issue: 5 Pages: 442-443
10.1038/s41477-020-0639-x
Frontiers in Plant Science
Volume: 11 Pages: 1030-1030
10.3389/fpls.2020.01030
Journal of Sea Research
Volume: 165 Pages: 101960-101960
10.1016/j.seares.2020.101960
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 21 Issue: 20 Pages: 7509-7509
10.3390/ijms21207509
Harmful Algae
Volume: 99 Pages: 101938-101938
10.1016/j.hal.2020.101938
光合成研究
Volume: 30(3) Pages: 149-156
40022445918