Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
光合成における最初のステップは、光捕集アンテナと呼ばれるタンパク質による光エネルギーの吸収および反応中心への伝達である。このエネルギー伝達効率は非常に高いことが知られており、その構造を模した人工の光捕集アンテナが作られてきた。しかし、天然と人工光捕集アンテナ系で何が同じで何が違うのか未だよく分かっていない。そこで本研究課題では、我々が独自に開発してきた理論解析手法を活用し、天然及び人工光捕集アンテナ系の光エネルギー伝達機構を分子論的に明らかにする。
光合成における最初のステップは、光捕集アンテナと呼ばれるタンパク質による光エネルギーの吸収および反応中心への伝達である。このエネルギー伝達効率は非常に高いことが知られており、その構造を模した人工の光捕集アンテナが作られてきた。しかし、天然と人工光捕集アンテナ系で何が同じで何が違うのか未だよく分かっていない。本研究課題の目的は、我々が独自に開発してきた量子化学計算と分子動力学シミュレーションを効率的に結びつける手法を活用し、天然及び人工光捕集アンテナ系の光エネルギー伝達機構を分子論的に明らかにすることである。本年度は、まず、天然及び人工のクロロゾームに含まれる色素であるバクテリオクロロフィル (BChl) c,d,e,fや亜鉛BChl誘導体の励起状態の解析を行った。概ね実験結果と定性的に一致する結果が得られたが、過去のBChl aの研究と同様に、再配向エネルギーの値は量子化学計算手法により大きく依存することが明らかになった。今後、天然及び人工クロロゾームの解析には用いる量子化学計算を注意深く検討する予定である。また分子動力学シミュレーションを用いて、天然及び人工のクロロゾームの構造の作成を行った。これまでの研究に基づいてBChl同士が水素結合したチューブ状の構造を作り上げ、分子動力学シミュレーションにより、その構造が安定であることを確認した。現在、量子化学計算の情報を基に、BChlの基底状態と励起状態のポテンシャル関数を作成中であり、それを用いてBChlの励起エネルギーの大きさと揺らぎを解析する予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020
All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)