Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
脳成長による脳頭蓋底の形態変化は、顔面骨の成長に関連性がある。この点に着目し、海というボトルネックを越え島に渡り、特異的に道具使用を獲得したマカク猿と、本土で生活し、道具を使用しないマカク猿をモデルケースとし、後天的な頭蓋骨ならびに顔面骨の変化を解析し、食物、環境の進化による民族特有の顔面形成の共進化について検討していく。そのため、歯科矯正学分野で用いる頭蓋、顔面の臨床的評価方法を応用して学術班の研究リソースを共同利用すると同時に、岡山大学で長年培ってきたミャンマーとの国際協力体制を活用することで、調査地域をタイ王国からさらに多くのマカク猿が棲息するミャンマーの孤島に広げることに貢献する。
対象となる2-3歳のカニクイザル頭蓋骨標本を選別するために、歯の萌出状態からHellmanの咬合発育段階で分類し、IA期からIIIA期までの頭蓋骨標本(7体)を抽出した。一般的にヒトのセファログラム撮影では頭冠部の基準平面としてSN(Sella-Nasion)平面を用いるので、頭部骨格標本からの情報とセファログラム撮影でえられた像からこの平面を規定する基準点が確認されるかどうかを検討した。結果としてSellaにおいてはトルコ鞍の形成が明瞭でなく特定が難しく、Nasionにおいても鼻骨と前頭骨の境界線をはっきりと確定することができなかった。その結果、本標本から得られた情報で頭冠部の基準平面を新たに設定する必要性がわかり、2022年3月に成獣カニクイザルのセファログラム撮影とCT撮影を同時に行うこととした。頭部骨格標本に関しては、京都大学霊長類研究所 伊藤毅先生のご協力を頂いた。また、2022年3月の京都大学霊長類研究所の閉所に伴い、レントゲン撮影の場所を、愛知大学歯学部放射線科教授有地榮一郎先生にご協力頂いた。海外での現地調査は新型コロナ感染症のために、期間を通じて行うことができなかった。装置の輸送についても大学内での手続きに終わっている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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科学
Volume: 91 Pages: 186-191
http://out-of-eurasia.jp/images/2020reports.pdf