Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
強誘電体の圧電性や分極反転といった機能を発現するものとして、強誘電体を構成する相や異なる分極軸を持つ領域(併せてドメインと呼称する)の界面に注目して研究を行う。現実の圧電材料の電気機械特性を決定する要因として、結晶軸が電場によって異なる方向へ回転するようなドメインスイッチング(ドメイン界面の移動)は主要な役割を果たしているが、このようなドメイン構造は電圧印加処理によって大きく変化することがわかってきた。本研究では、この電場によって活性化されるドメイン構造について、どのように相互が接合しているか、電場に対してどのように応答するのかを解明する。
2年目にあたる2021年度は、(1)PbTiO3薄膜におけるドメイン構造、(2)非鉛圧電体におけるドメイン構造変化(3)HfO2基強誘電体における電場誘起相転移に関して研究を行った。(1) PbTiO3薄膜におけるドメイン構造については、SiおよびKTaO3基板上のPbTiO3エピタキシャル膜に関してドメイン構造を検討した。熱膨張率の小さなSi上の薄膜においては、電場誘起ドメインスイッチングを用いた巨大圧電応答が発現することがわかっている。SiとPbTiO3に挟まれたSrTiO3バッファ層の影響によって、膜厚が小さい場合は分極が面直方向を向いたcドメインが形成されるが、膜厚が大きくなるにつれて、a/cドメインとa/aドメインが複合的に形成される構造に変化し、aドメインが優勢になることを明らかにした。また、KTaO3基板上のPbTiO3エピタキシャル膜に関しては成膜後の冷却過程でドメイン構造が変化することを見出した。(2) 非鉛圧電体におけるドメイン構造変化については、チタン酸ビスマスナトリウム-チタン酸バリウムにおいて、高電圧ポーリング処理によって巨大圧電性が生じることを見出し、またこの圧電性がドメインスイッチングによるものであることを明らかにした。(3)HfO2基強誘電体における電場誘起相転移に関しては、非ペロブスカイト型結晶構造の強誘電体において電場誘起構造変化が特性に大きく影響する例として研究を行った。HfO2基強誘電体においては、冷却過程においてクエンチされた正方晶の常誘電体相から、より安定な強誘電体相に電場誘起構造相転移が起こり、強誘電性が発現しうることを明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 1 results)
Journal of Applied Physics
Volume: 131 Issue: 3 Pages: 035301-035301
10.1063/5.0074884
Journal of the Ceramic Society of Japan
Volume: 129 Issue: 7 Pages: 337-342
10.2109/jcersj2.21002
130008060686
ACS Applied Materials & Interfaces
Volume: 13 Issue: 48 Pages: 57532-57539
10.1021/acsami.1c15713
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 60 Issue: SF Pages: SFFB07-SFFB07
10.35848/1347-4065/ac10f7
ACS Applied Electronic Materials
Volume: 3 Issue: 7 Pages: 3123-3130
10.1021/acsaelm.1c00342
Volume: 129 Issue: 2 Pages: 024101-024101
10.1063/5.0031803
Volume: 59 Issue: SP Pages: SPPB01-SPPB01
10.35848/1347-4065/aba2bf
Volume: 2 Issue: 7 Pages: 1908-1916
10.1021/acsaelm.0c00220