Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
アミノ酸が結合したペプチドは両親媒性の特徴をもち、新疎水性を適切に配置したペプチドでは水をはじめとする溶媒との相互省によって分子集合体を形成することができる。このようなペプチド分子集合体における水分子の役割を解明することによって、新しいバイオ水圏機能材料の構築が可能となると考え、試料状態に依存しにくい固体NMR分析によって水を含んだペプチド集合体試料の構造を解明する研究を行う。
本申請課題では、水の滴下がトリガーとなって誘発されるペプチド自己集合体の構造を制御し、水圏で機能するペプチド分子集合体の創生を目指すとともに、固体NMR分光法を用いた水分子とペプチド分子集合体の構造解析を行い、水分子の役割を研究する。側鎖にアクリドン発色団を有する2-アクリドニルアラニン-フェニルアラニン(AAP)を新規に合成し、生理的pH条件下でのAAPの自己組織化プロセスにおいて、ハイドロゲルを形成することを発見した。電子顕微鏡画像によれば数マイクロメートルの長さのペプチドファイバーが形成されており、これらが3次元的にネットワークを構築してハイドロゲルを形成していることが示唆された。また、このハイドロゲルは青色の発光と適度な熱応答性を示すことも明らかにした。このようにアクリドン側鎖を含むジペプチドが効果的なハイドロゲル化剤となることを実証した。1H 固体NMRスペクトルの温度変化を測定し、ペプチドへの吸着水と思われる水分子のNMR信号を検出した。フェニルアラニン-フェニルアラニン(Phe-Phe)およびトリプトファン-フェニルアラニン(Trp-Phe)からなるジペプチドを高濃度で電極基板上にキャストし、電圧引加状態で水蒸気による自己組織化によって電極間にジペプチドの超分子構造を密集させ、機械的刺激応答が可能な圧電素子として開発した。固体NMRや電子顕微鏡による解析から、バルク成長のNMRスペクトルと比べて、信号の線幅が狭く、構造均一性があることを示した。また電極間に向かってペプチドファイバーが成長し、配向性は良好であった。このようなサンプルを用いた圧電素子では、良好な機械刺激応答を記録することができた。このように水圏で自己組織化するペプチドを用いて、機能性材料を開発することができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 2 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 3 results)
Chemistry Letters
Volume: - Issue: 7 Pages: 687-689
10.1246/cl.220170
Biophysics and Physicobiology
Volume: advpub Issue: 0 Pages: 177-185
10.2142/biophysico.bppb-v18.019
130008072373
IntechOpen
Volume: - Pages: 97356-97356
10.5772/intechopen.97356
ACS Agricultural Science & Technology
Volume: 1 Issue: 4 Pages: 347-354
10.1021/acsagscitech.1c00041
Chirality
Volume: 33 Issue: 10 Pages: 652-659
10.1002/chir.23343
Journal of Physical Chemistry B
Volume: 124 Issue: 43 Pages: 9615-9624
10.1021/acs.jpcb.0c06383
ハセガワレター
Volume: 39 Pages: 2-11