Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
研究代表者は直近の研究で、多糖のナノ/マイクロ自己相似構造の再構築に成功すると共に、センチメートルスケールに至る一軸配向化技術を独自開発した(Okeyoshi*, et al, Scientific Reports 2017など、H28若手研究B)。そこで本研究では、様々な多糖に対して液晶状態から一軸配向構造を持つ高分子膜を作製し、湿度変化に対してミリ秒スケールで高速に可逆的屈曲変形するアクチュエータの創出を目指す。これまでに、一軸配向化による一軸膨潤ゲルをはじめ、強力な予備実験結果を得ており、水の拡散方向が繊維の毛管力によって秩序化されたエネルギー変換素子を作製する。
水圏の生体組織が多様なエネルギー変換を達成していることに鑑みれば、持続可能な社会に向けて、水を活用したエネルギー循環型社会への移行は必須である。例えば、ソフトでウエットな高分子ハイドロゲルは人工軟骨や細胞足場など医用材料をはじめ、生体機能の超越が有望視されている。同時に、刺激応答性高分子を用いたケモメカニカルゲルや湿度応答する合成高分子フィルムなど、しなやかに運動するアクチュエータの研究も注目されてきた。一方、生体高分子の多糖が生体適合性や環境適応性を有し、重要な材料として再注目されている。しかし、多糖と水を扱った先端材料、特に水の蒸発に関する研究は発展途上にある。そこで本研究では、様々な特性を持つ各種多糖に対して一軸配向膜を作製し、水蒸気駆動型の運動素子や高い保湿性を有する微粒子状の材料、さらにエネルギー変換材料の設計を進めた。以下に具体的内容、意義、およびその重要性を記す。1. 水圏環境で創られた生体高分子の多糖は、分子・ナノ・マイクロスケールと階層的な自己集合構造を形成し、その形態もファイバー状や微粒子状と多岐にある。ここで、高分子濃度や塩濃度など水圏環境を整えることで、その形態の可逆的制御に成功した。骨格タンパク質が示す動的不安定性と類する特徴であり、生物学的にも有意義な内容が明らかになった。2. 多糖の自己集合構造としてファイバー状を形成する階層構造について報告した。特に、自己相似的なナノ・マイクロ構造、水圏環境や乾燥条件を制御した系における多糖の形態、架橋構造が導入された多糖ゲルの膨潤特性についてまとめた。また本年度において国際学会と国内学会含め11件発表、査読付学術論文受理済1報と投稿中数報あり、活発な議論を通して進められた。これを基に本研究の多角的なアプローチがなされ、新学術を推進させる取り組みとして重要なステップを踏んだ。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 1 results) Presentation (16 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 2 results) Remarks (1 results)
Macromolecular Rapid Communications
Volume: NA
Journal of Colloid and Interface Science
Volume: 591 Pages: 483-489
10.1016/j.jcis.2021.02.017
Scientific Reports
Volume: 11 Issue: 1 Pages: 767-767
10.1038/s41598-020-80779-z
Polymer Journal
Volume: 53 Issue: 1 Pages: 81-91
10.1038/s41428-020-00426-2
Volume: 52 Issue: 10 Pages: 1185-1194
10.1038/s41428-020-0369-y
Small
Volume: 16 Issue: 29 Pages: 2001993-2001993
10.1002/smll.202001993
https://researchmap.jp/kosukeokeyoshi