Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
通常、水溶液中の分子集合体は疎水性相互作用をベースにしており、動物細胞から、ミセルまで良く知られている。一方で、自然界を見渡すと、植物細胞を初めとして、親水性の高分子を自己組織化させたミセル様物質が存在している。これまでに、親水性のブロック糖鎖高分子―ポリエチレングリコールブロック高分子が、水溶性高分子であるにも関わらず水溶液中でミセルを形成する異常な現象を見出している。本研究では、親水性のブロックからなる合成高分子を系統的に合成、解析して、親水性のブロック高分子のミセル形成機序と物性を明らかにする。
ポリエチレングリコール(PEG)と糖鎖高分子(糖を側鎖に有する高分子)からなる水溶性のブロック共重合体が水溶液中で、自己組織化して、分子集合体を創製する新しい現象について検討を行った。水溶性ブロック共重合体の合成法について検討した。水溶性ブロック共重合体は、RAFTリビングラジカル重合によって調製している。リビングラジカル重合の脱気操作が不要になるように光触媒を用いたPET-RAFTリビングラジカル重合法について、糖鎖高分子で導入を可能にした。糖鎖高分子の分子集合体については、これまで側鎖に糖鎖を用いた高分子を検討してきた。糖鎖間の相互作用が自己組織化の駆動力であることが過去の研究で明らかとなっていた。生物界では糖鎖の種類によって、糖鎖間の相互作用が異なるため、糖鎖高分子に結合させる糖をマンノース、ガラクトース、グルコースと3種類用いて合成し、それぞれの高分子の集合性、分子間相互作用について検討した。これまでマンノースを側鎖に配置した糖鎖高分子を中心に検討してきた。ところが、ガラクトース、グルコースについては分子集合性が認められなかった。また、糖鎖高分子をQCM基板に固定化した上で相互作用を測定するとマンノース型の糖鎖高分子にだけ特異的に、またCa2+イオン依存的に強い相互作用が発現することがわかった。相互作用は弱いタンパク質間の相互作用にも匹敵するほど強く、同時に糖鎖の組み合わせはマンノースとマンノースの時にのみ強いことがわかった。このように水溶性ブロック高分子の自己組織化については分子特異性が著しく関係することがわかった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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