Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
水の利用による分子会合体の研究は環境・エネルギーから治療・生体の各分野まで様々な領域を網羅する。他の溶媒と異なり、水は反応場形成のための媒体やその運び手、エネルギー変換における電子やプロトン源など複数の役割を同時に担える特異な溶媒と言える。光励起状態が関与する化学反応はエネルギー変換や光線力学療法など多数の報告例があるが、その材料開発は水への溶解性等の問題で未だ発展途上にある。一方、分子の光励起における問題点として集合状態での励起エネルギーの高速な消滅 が挙げられる。以上の問題点を念頭に、本研究では水中での凝集状態の活用で水と光エネルギーが共生可能な材料開発を推進する。
水中での分子集合体に関する研究は環境・エネルギーから薬剤・生体の各分野まで様々な領域を網羅する。他の溶媒と異なり、水は反応場形成のための媒体やその運び手、エネルギー変換における電子源など複数の役割を同時に担える特異な溶媒と言える。特に、光励起状態が関与するエネルギー変換は多数の報告例があるが、その材料開発は水への溶解性等の問題で未だ発展途上にある。一方、分子材料の光励起において、その集合状態での分子間による励起エネルギーの迅速な消滅は極めて重大な問題点であると言える。そこで、本研究では水中での分子の凝集状態の活用で一光子の吸収過程から複数の励起子が生成可能な多励起子生成反応(一重項分裂)の発現可能な材料合成と分子集合体における光物理過程評価を行った。2020年度は水溶性ペンタセン誘導体の合成を主に進めたが、2021年度は水中での水溶性分子カプセル内にペンタセンのモノマーやダイマーを内包させ、その集合状態を利用することで一重項分裂の進行を検証した。過渡吸収測定によりペンタセンモノマーとペンタセンダイマーいずれの場合でもペンタセン間の会合形成に伴う良好な一重項分裂の観測に成功した(三重項量子収率:180%以上)。その他の系としては水中での凝集体形成を目的としたボロン色素誘導体を新たに合成した。その結果、良好な近赤外域での良好な蛍光と円偏光発光を観測することができ、新たな水中で利用可能な近赤外材料の開発に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 2 results) Presentation (6 results)
Journal of the American Chemical Society
Volume: 143 Issue: 25 Pages: 9361-9367
10.1021/jacs.0c13172
ACS Energy Letters
Volume: 7 Issue: 1 Pages: 390-400
10.1021/acsenergylett.1c02300
Chem. Lett.
Volume: 50 Issue: 4 Pages: 615-622
10.1246/cl.200858
130008025766
The Journal of Physical Chemistry B
Volume: 124 Issue: 52 Pages: 11910-11918
10.1021/acs.jpcb.0c09754
Volume: 124 Issue: 44 Pages: 9921-9930
10.1021/acs.jpcb.0c07532