Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
固体表面に支持した人工生体膜(支持膜)と固体表面間に形成される「界面水」という水圏環境に着目し,水の存在下でイオンや分子の認識機能を発現する分子認識機能分子が,水圏環境でその機能発現する際に,自身が置かれている水圏環境にどのような影響を与えるかを調べる。まず、DNAを修飾したグラフェン表面を用いて,支持膜の界面層の厚さを制御することにより、界面層に人工的な機能分子を導入し,他の分子に妨害されることなく機能分子が正常に動作するために十分な空間を確保できることを実証する。界面層への認識機能分子を導入し、機能を発現する際に、水圏環境にどのような影響を与えるかを調べる
本研究課題では、疎水的なグラフェン表面に水の存在下で動作する種々の分子認識分子を修飾し、これをプラットフォームに用いた分子認識デバイスを実現すれば,グラフェンの新たな可能性を示すことができれば、学術的に大きなインパクトがあると考え、水圏環境下でこのような機能を発現するグラフェン材料の開拓を目指した。2021年度は、昨年度に引き続きA03-3との連携によりβ-シクロデキストリンのピレン誘導体(β-CD-Py)を合成し、これを単層グラフェン表面に固定して電極を作製することに成功した。QCMを用いてpy-β-CDの修飾密度を評価した結果,単層グラフェンに対するpy-β-CDの被覆率は0.5以上と高いことが分かった。これを用いて、両連続相マイクロエマルジョン溶液中において、難水溶性と水溶性のフェロセンの電気化学検出特性を調べた。その結果、β-CD-Py修飾効果により、難水溶性フェロセンの還元ピークの電流値のみが数倍増大することが分かった。このメカニズムとして、β-CD-Py修飾により、グラフェン表面に有機相と水相の界面が多く形成され、ここに濃縮された難水溶性フェロセン酸化体の反応効率が上昇したためと考察した。β-CD-Py修飾により、グラフェン表面に有機相と水相の界面が多く形成され、ここに濃縮された難水溶性フェロセン酸化体の反応効率が上昇したためと考えられる。以上のとおり、水の存在下で動作する分子認識分子β-CD-Pyを修飾したグラフェン表面を用いて、水圏環境下で分子認識機能を発現するグラフェン材料を実現した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2020
All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)