Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
これまでの様々な天体観測から、我々が知る通常の物質ではありえない暗黒物質が宇宙に広く存在し、宇宙組成の約27%を占めることが確かなものとなっているが、その正体は全くの謎に包まれている。本研究では、各種暗黒物質探索実験データと素粒子模型を系統的に照合し、暗黒物質の正体に迫る研究の枠組みの構築を行う。
本研究は当初2020年4月から2022年3月の2年計画であったが、ちょうどコロナ禍の時期と重なり、当初の計画通りは進まず2023年度に予算を繰り越す形となった。特に、本研究は海外の研究者との連携が重要であったため、海外渡航を計画していたが全てオンラインでの共同研究となり、なかなか計画通りに研究が進まないことがあった。改めて対面での議論の重要性を実感した。本研究は各種暗黒物質探索実験データ、すなわち直接探索実験、加速器実験、そして間接探索実験と暗黒物質を含む素粒子標準理論を超える模型を系統的、包括的に照合することを目的としたものである。今年度は、お茶の水女子大学のグループとのある特定の暗黒物質模型に対する理論・実験の制限、将来実験に対する発見感度を包括的に調べた論文 [Phys. Rev. D 104 (2021) 035023] をもとに、研究会やスクールで講演、講義を行うことができ、本研究課題の総括ができた。具体的には、コロナ禍の中久々に対面で行われた神戸での暗黒物質の研究会 (DM3, 2022.9.15-17)で招待講演を行い、またベトナムで行われた国際スクール(VSOP)で講師を務めた。また大学の教養の講義、高校や市民講座での出前講義等でも積極的に暗黒物質に関する話題を取り上げアウトリーチ活動にも力を入れた。最後に、間接探索実験に関しては期間内にシミュレーションプログラムの検証まで行えず、今後の課題として引き続き取り組んでいきたい。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (3 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 5 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)
Physical Review D
Volume: 107 Issue: 9 Pages: 093002-093002
10.1103/physrevd.107.093002
The European Physical Journal C
Volume: 81 Issue: 11 Pages: 1000-1000
10.1140/epjc/s10052-021-09764-8
Volume: 104 Issue: 3 Pages: 035023-035023
10.1103/physrevd.104.035023
Nuclear Physics B
Volume: 966 Pages: 115375-115375
10.1016/j.nuclphysb.2021.115375
Volume: 80 Issue: 6 Pages: 11-11
10.1140/epjc/s10052-020-8154-9