Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2013年、Pt(111)表面上においてBa-Ti-O系金属酸化物が準結晶超薄膜を形成することが明らかとなった。しかしながら、その構造モデルの解明には未だ至っていない。その主たる原因は、準結晶超薄膜の組成が解明できていないためである。本研究では、Ba-Ti-O準結晶薄膜を広い範囲で作製し、その組成と準結晶を構成するクラスターの結晶構造を明らかにする。具体的には、LEED-AES-XPS -STM-RBS法からなる複合解析と第一原理計算によるクラスター構造のエネルギー安定性の評価、さらには、シミュレーションSTM像と実験STM像との比較から準結晶の構造を解明する。
本公募研究では、酸化物準結晶であるBa-Ti-O系ハイパーマテリアル超薄膜の創製方法を確立するとともに、低速電子回折、オージェ電子分光、X線高電子分光、走査型トンネル顕微鏡、ラザフォード後方散乱分光からなる複合解析により組成と原子密度を解明することができた。さらに、Pt(111)表面上にBa-O系超薄膜を種々の組成で作製し、そこへチタンを蒸着することで、広い組成範囲にわたり準結晶及び近似結晶の形成のしやすさやこれまでに発見されていない相の有無について系統的に調べた。これらの複合的な実験結果をもとに、Ba-Ti-O系ハイパーマテリアル超薄膜の構造モデルを提案することができた。酸化物ハイパーマテリアルに関する学術論文を2報発表するとともに、学会発表、国際会議発表、書籍の分担執筆をした。コロナ禍ではあったが、東京理科大学田村研究室のポスドクを外部研究者として6週間受け入れ、金属間化合物準結晶表面の原子スケールSTM観察に関する共同研究も順調に開始することができた。さらに、酸化物ハイパーマテリアルの機能開拓に向けて、希土類酸化物ハイパーマテリアルの創製研究に取り組んできた。具体的には、Ce-Ti-O系ハイパーマテリアルの創成研究に取り組み、近似結晶相の創成に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)
Applied Surface Science
Volume: 561 Pages: 150099-150099
10.1016/j.apsusc.2021.150099
Physical Review Materials
Volume: 4 Issue: 10 Pages: 103402-103402
10.1103/physrevmaterials.4.103402
https://yuhara.nucl.nagoya-u.ac.jp