Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
準結晶が発見されて以来、どのような金属を、どのような配合で混ぜれば準結晶が作れるかという知識は蓄えられてきたが、なぜ準結晶ができるのか、という根本的な問いはまだ未解決である。本研究では、計算機シミュレーションを用いた構成的アプ ローチにより、「準結晶になるように」原子間相互作用をチューニングし、自由エネルギーの評価を行い、なぜそうでなければならないのかを明らかにする。
本計画では、準結晶が生じる機構を探るべく、できるだけ単純な分子モデルを使い、自由エネルギー計算等を駆使して、相互作用を最適化することを目指した。 また、最も単純な分子の一つであるが、非常に複雑な結晶構造を生じうる、水について、新奇な結晶構造を生じさせる方法を検討した。その過程で、氷に異常に長距離の相関と、それによる異常に均質なエネルギー状態が実現していることを発見した。氷には残余エントロピーが観測されること、それはポーリングのモデルにより非常によく近似されることが知られている。氷の結晶の中では、水分子はアイスルールを満たしながら乱雑に配向していることは理解されていたが、その乱雑さに隠された秩序構造には関心が払われていなかった。氷の中のある分子と周囲との相互作用を近い順に積算していくと、近距離では非常に相互作用のばらつきが大きいにもかかわらず、そのばらつきが(何らかの遠距離相関の存在により)相殺され、遠距離まで積算するとほぼ0に収束する。この現象を我々は発見し、超均質性と名付けた。近距離相互作用が(隣接分子のさまざまな配向のせいで)いかに不均質であっても、超均質性のおかげで氷の中の水分子はほぼ同じエネルギー状態になり、それがポーリングの近似を成り立たせている。ではなぜ、近距離の不均質さを、遠方の分子が相殺できるのか。これを説明する合理的なモデルを我々は構築した。超均質性は水素無秩序氷および水素無秩序包接水和物のすべてで発現する。この研究に付随して、氷の中で、位相幾何学的条件(アイスルール)を満足しながら乱雑な分子配置を高速で生成する新たなアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、従来広く用いられていた手法に比べて格段に短時間で構造を生成でき、系の大きさに対して線形時間しかかからない最速アルゴリズムである。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Chemical Physics
Volume: 155 Issue: 21 Pages: 214502-214502
10.1063/5.0068560
Journal of Chemical Information and Modeling
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10.1063/5.0044300
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130007934263
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10.3847/psj/abc3c0
120006955818
https://github.com/vitroid/hyperhomogeneity
https://github.com/vitroid/TileCycles