Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
元々単一の材料から電気化学的に電極を生成させた電解質/電極界面は、ある種理想的な界面を形成し、一般的な電解質/電極界面とは全く異なる情報を与えてくれる可能性がある。本研究では、電池作製時点で副反応相が存在しない「単相型全固体電池」を用いて、その自己生成電極と電解質の界面で起こる現象について、主に以下のアプローチで明らかにしていく。①充電後(自己生成電極生成後)の電荷移動抵抗、②充電後の電極 / 電解質界面の接触抵抗が及ぼす電池特性への影響、③自己生成する正極及び負極の電子伝導性、イオン伝導性に関する考察、④単相型全固体電池の薄膜化、⑤単相型全固体電池中のリチウムイオン濃度分布
固体電解質と電極の間の界面抵抗に関する研究を行った。酸化物系全固体電池では、電極と電解質の機能を有する材料を用いて単一材料で電池を構築できる系、特にLi1.5Cr0.5Ti1.5(PO4)3(LCTP)及びNa3V2(PO4)3(NVP)を検討した。LCTPは高いリチウムイオン伝導性を示すとともに正極及び負極としての機能を有し、焼結体の両面に集電体をとりつけるだけで高速で充放電が進行した。単一材料で作製した全固体電池は作製時に副反応が起こらないため低抵抗な界面となる。しかし、充電が十分に電池内部まで進行しないという課題がある。そこで、充電状態の両極の反応分布をX線吸収分光で確認したところ、中心部でより進行しているのに対し、外側では充電深度の浅い状況が確認された。一方、NVPも同様に単一材料で全固体電池を作製できることを確認した。SEM-EDSにより電極表面の反応分布を確認したところ、中心部でより反応が進行し、外縁部は反応が十分に進んでいないことが分かった。さらに、水素化物系負極材料(Mg(BH4)2やMgH2)について、放電でリチウムイオンを反応させることでリチウムイオン伝導性を有するLiBH4またはLiHが生成し、これが「その場形成固体電解質」として機能することで電極合材中に電解質を必要としないことが明らかとなった。このことにより、全固体電池のエネルギー密度が大幅に向上できる可能性が見出された。このような系では合材中の固体電解質は電気化学的に生成し、充放電時のLiH等の分布を観察することで界面抵抗と合材中の形態との関係を明らかにできる可能性がある。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (1 results)
RSC Advances
Volume: 12 Issue: 17 Pages: 10749-10754
10.1039/d2ra01199a
Electrochemistry
Volume: 89 Issue: 3 Pages: 244-249
10.5796/electrochemistry.21-00023
130008034694
Chemical Communications
Volume: 57 Issue: 21 Pages: 2605-2608
10.1039/d0cc08366f