Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
従来、オートファジーは大規模かつ非特異的な分解システムとして認識されてきたが、特定のタンパク質やオルガネラの選択的分解にも重要な役割を果たしていることが理解されつつある。とりわけ、ミトコンドリアを特異的に丸ごと分別・除去する機構は「マイトファジー」と呼ばれ、ミトコンドリアの量や品質を管理するシステムとして脚光を浴びているが、その詳細な仕組みは未だ多くの謎に包まれている。本研究では、出芽酵母をモデルに用い、マイトファジーの初期段階において、ミトコンドリア分解の選択性と活性を規定するタンパク質間相互作用に着目し、その制御機構を分子レベルで解明することを目指す。
ミトコンドリアを特異的に分別・除去する仕組みは「マイトファジー」と呼ばれ、選択的オートファジーの一つとして知られている。マイトファジーは生物種を超えて保存された基本的な仕組みであり、その破綻はミトコンドリアおよび細胞の恒常性を損なう。近年、数多くの研究から、マイトファジーと様々な疾患との関連が明白となる一方、病態を理解するのに不可欠な分子機構や生理機能は未だ多くの謎に包まれている。本研究では、出芽酵母をモデルに用いて、マイトファジーの初期段階において重要な役割を果たす分別標識タンパク質Atg32と、分解基質を隔離するオートファゴソームの形成に必要なオートファジーマシナリーの鍵タンパク質Atg8およびAtg11との相互作用に焦点を絞り、その作用機序を明らかにすることを目的とする。これまでの研究で、非侵襲的な定量アッセイ系NanoBiT (32-11)を確立した。これを用いて、オートファジーに必須なタンパク質キナーゼAtg1欠損細胞において、Atg32-Atg11相互作用およびAtg32のリン酸化が低下することを見出している。当該年度においては、NanoBiT (32-8)を確立し、Atg32-Atg8相互作用の解析を行なった。その結果、Atg32のAtg8結合モチーフ近傍のセリン残基がAtg32-Atg8相互作用に重要であること、Atg32のリン酸化およびマイトファジーに寄与することがわかった。また、Atg1がこれらのセリン残基をリン酸化することも明らかとなった。さらに、Atg1はAtg8およびAtg11と相互作用することが知られているが、これらの相互作用を障害すると、マイトファジーが部分的に低下した。以上の知見から、Atg1がAtg8およびAtg11を介してAtg32をリン酸化し、マイトファジーに寄与していると考えられる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (5 results) Journal Article (8 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 2 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Life Science Alliance
Volume: 6 Issue: 4 Pages: e202201640-e202201640
10.26508/lsa.202201640
Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - General Subjects
Volume: 1866 Issue: 11 Pages: 130203-130203
10.1016/j.bbagen.2022.130203
The Journal of Biochemistry
Volume: 170 Issue: 2 Pages: 175-182
10.1093/jb/mvab068
40022722295
Genes to Cells
Volume: 26 Issue: 8 Pages: 627-635
10.1111/gtc.12875
FEBS Letters
Volume: 595 Issue: 8 Pages: 1239-1263
10.1002/1873-3468.14060
Volume: 1865 Issue: 5 Pages: 129858-129858
10.1016/j.bbagen.2021.129858
The EMBO Journal
Volume: 40 Issue: 3 Pages: 1-1
10.15252/embj.2020104705
Theranostics
Volume: 11 Issue: 1 Pages: 222-256
10.7150/thno.49860
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/ja/research_group/detail/8
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/okamoto/index.html