Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
プロテインキナーゼYpk1の選択的な分解は、一部オートファジー経路を必要としながらも、通常のマクロオートファジーと比較して非常に早く起こる。Ypk1の分解システムの特筆すべき点は、Ypk1が栄養を使い細胞を増殖させるシグナル伝達因子であり、これがマクロオートファジーに先立ってオートファジー経路で分解されることである。つまり、細胞は二段構えの分解系を持っていて、飢餓時にはまず、栄養を節約するため、シグナル伝達因子を分解する。それでも飢餓が続けば、内容物の分解に入るという仕組みである。本研究では、Ypk1を中心に、未解明な点の多い選択的なオートファジーを可能とする分子機構の解明を行いたい。
本研究では、AGCプロテインキナーゼファミリーで出芽酵母のセリンスレオニンプロテインキナーゼ Ypk1のチッ素源飢餓特異的な選択的オートファジー分解機構の解析を行った。一般的にオートファジーによるタンパク質分解は、栄養源シグナル伝達により制御される、シグナル下流でのイベントであると考えられるが、Ypk1は栄養源シグナル伝達の一端を担い、タンパク質翻訳・細胞増殖に関わる重要なプロテインキナーゼである。このYpk1はチッ素源飢餓時に選択的に分解されること、また、その分解経路にはオートファジー経路が関わること、しかしながら、一方で、ESCRT複合体も必要とするなどが明らかになっていた。Ypk1のオートファジー分解のために必要なオートファジー遺伝子を調べたところ、全てのオートファジーに必要とされる「コア因子」でもATG2, ATG18等の遺伝子はYpk1分解には必要ではかった。Ypk1を欠失変異させて解析すると、Ypk1のN末端が分解に重要な領域であると思われ、この領域がパラログとされるYpk2とは配列相同性が無く、Ypk2はYpk1と分解経路が違う点からも、この結果は一貫性のある結果であると考えられた。つまり、現在まで、Ypk1とYpk2は因子重複による機能が重複したパラログであると考えられてきたが、少なくともキナーゼの分解という点では、異なる制御がされていることが分かった。そこで、Ypk1のN末端領域を分解マーカとしてTAPタグ標識して、チッ素源飢餓時に特異的に誘導されるタンパク質複合体をMS解析して、Ypk1を認識するシステムに関する候補遺伝子の解析中であり、今後はその積荷受容体としての機能をさらに明らかにしていきたい。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 2 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (1 results)
Cell Reports
Volume: 38 Issue: 11 Pages: 110512-110512
10.1016/j.celrep.2022.110512
Science Signaling
Volume: 15 Issue: 723 Pages: 723-723
10.1126/scisignal.abf9570
The Journal of Immunology
Volume: 206 Issue: 11 Pages: 2544-2551
10.4049/jimmunol.2100109
Journal of Autoimmunity
Volume: 116 Pages: 102571-102571
10.1016/j.jaut.2020.102571
Viruses
Volume: 13 Issue: 5 Pages: 815-815
10.3390/v13050815
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 21 Issue: 14 Pages: 5101-5101
10.3390/ijms21145101
http://info.fujita-hu.ac.jp/~yuko.naito/index.html