Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
リソソーム膜電位変動微小領域を明確にして、破骨細胞におけるリソソーム選別輸送・特異的領域形成機序の解明を目指すため、以下の2計画をすすめる。1:リソソーム膜上分子によるリソソーム膜電位変動微小領域の形成機序;局所的なリソソーム膜電位変動(リソソーム膜電位変動微小領域)を仮定して、この微小領域の形成機序と分子間相互作用を明らかにする。2:リソソーム膜電位変動微小領域による選別輸送と膜動態の光制御;リソソーム膜電位変動微小領域の形成が、選別輸送・特定領域へのリソソーム輸送につながるかを検証するとともに、その制御を目指す。
破骨細胞形成因子(RANKL)の同定により、細胞外基質を分解する特異的領域(波状縁)を持つ破骨細胞の分化機序は明らかになってきたが、「どのように細胞外基質を分解する特異的領域にリソソーム小胞が選択輸送されるのか」の問いは、ほとんど明らかになっていない。これは細胞生物学の核心的課題であるオルガネラ選別輸送の解明に類似・通じるものである。いままでの研究結果を基に、リソソーム局所における細胞膜電位変動(リソソーム膜電位変動微小領域)に焦点をあてて、リソソーム膜融合動態、オートリソソーム形成および特異的領域形成の解明を目指す。本年度では、引き続き、電気生理学手法によりリソソームパッチクランプを引き続きおこないながら、分子生物学手法にてリソソーム膜上分子によるリソソーム膜電位変動と膜融合を検討した。CRISPR/CAS9にて、前破骨細胞様細胞(RAW)および骨髄細胞由来前破骨細胞の標的分子(TPC2, HCN)のいずれかを欠損させた後、それぞれの細胞を用いて、リソソーム膜電位の変動を記録した。定常状態の膜電位は野生型細胞と比較して減少もしくは増加しており、欠損細胞に別分子を標的とする阻害薬を添加した後の記録では、膜電位変動頻度の減少が生じた。また、リソソーム膜電位と膜融合動態を検討するために、リソソームに光感受性分子を発現させた細胞を用いた。光刺激を行い、ウェスタンブロッティングにてマーカー分子の細胞膜局在を検討した結果、細胞膜への移行増加が認められるとともに、オートリソソームの促進も認められた。また、標的分子欠損細胞では、これらの変動(細胞膜への移行増加、オートリソソーム促進)が減少することから、リソソーム膜上分子との関連性が示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)
J Hard Tissue Biol
Volume: 30 Pages: 347-354
130008110739
Volume: 30 Pages: 333-338
130008110737
J Osaka Dent Univ
Volume: 55 Pages: 239-243
130008107825