Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
エピゲノムリプログラミングは、エピゲノム状態のゲノムワイドな変化を介して細胞の運命変化や初期化を促す生命現象であり、哺乳類の初期胚や始原生殖細胞の発生、さらにiPS細胞(人工多能性幹細胞)の創出に重要な役割を果たす現象である。しかし、リプログラミング過程が高次クロマチン動態に与える影響、およびその相互関係は明らかではない。本研究では、ヒトiPS細胞におけるエピゲノム多様性(ゆらぎ)に着目し、未分化状態におけるエピゲノム状態複製および生殖細胞分化過程におけるエピゲノム状態変化に関わるクロマチン高次動態の理解を目指す。
エピゲノムリプログラミングは、エピゲノム状態のゲノムワイドな変化を介して細胞の運命変化や初期化を促す生命現象であり、哺乳類の初期胚や始原生殖細胞の発生、さらにiPS細胞の樹立に重要な役割を果たす現象である。しかし、リプログラミング過程が高次クロマチン動態に与える影響、およびその相互関係は明らかではない。本研究では、これまでヒトiPS細胞株間で観察されるエピゲノム多型(多様性、ゆらぎ)領域の同定およびそれに関わるゲノム特性の解析、さらに、始原生殖細胞様細胞への誘導効率への影響評価を行ってきた。令和3年度は、ヒトiPS細胞株群について、全ゲノムシーケンスを行い、CNV、SNPおよびINDEL解析結果から、エピゲノム多型領域とゲノム多型の相関解析を行った。その結果、トランスポゾン領域などではエピゲノム多型領域にゲノム多型がより高頻度に観察された一方、ゲノム多型頻度と相関が観察されない、おそらくゲノム多型非依存的なエピゲノム多型領域が多く存在することが示唆された。これらの結果を合わせて、論文発表を行った(Yokobayashi et al., 2021)。一方、これらの解析に用いたヒトiPS細胞株の多くは始原生殖細胞様細胞への誘導効率が低く、エピゲノム多型が始原生殖細胞発生過程に与える影響を評価することが困難であった。そのため、より広範なヒトiPS細胞株群を対象に、始原生殖細胞誘導の検証、および遺伝子発現解析とゲノム解析を行った。また、核ラミナ相互作用領域解析および3D-DNA-FISH法の実験系の確立を行った。現在、新たに評価されたヒトiPS細胞株を含めて、エピゲノム解析およびエピゲノム多型領域の核内動態解析を進めている。今後は、我々が近年報告した始原生殖細胞の雌性分化系(Yamashiro et al., 2018、2020)を用いて検証していく予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)
Cell Reports
Volume: 37 Issue: 5 Pages: 109909-109909
10.1016/j.celrep.2021.109909