Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
植物には、側根時計のように周期形態を表出させるための基軸となるリズムが存在しているが、その振動子の実体は謎である。ヒメツリガネゴケ原糸体の頂端には幹細胞があり、幹細胞にはクロロネマ頂端幹細胞とカウロネマ頂端幹細胞の2種類がある。これまでの経時的観察により、一部の原糸体で、その2種類の幹細胞が周期的に運命転換して入れ替わっていることが示唆された。一方、オーキシン投与により、原糸体の幹細胞はカウロネマ頂端幹細胞へと細胞運命が固定される。そこで本研究では、頂端幹細胞における周期的な細胞運命転換、および、その周期性の変調をもたらす分子機構の解明を目指す。
ヒメツリガネゴケ原糸体の頂端には、クロロネマ頂端幹細胞とカウロネマ頂端幹細胞の2種類の幹細胞が存在し、周期的に運命転換して入れ替わる。その分子機構を明らかにするため、以下の実験を行なった。(1) オーキシン排出担体として機能する可能性が高いPGP19bは、オーキシン濃度が低い状態のクロロネマ頂端幹細胞では細胞隔壁に局在しているが、オーキシンで短時間処理すると、そのシグナルが細胞隔壁から消失した。従って、PGP19bはオーキシン濃度依存的にその細胞内局在が制御されていることが分かった。またオーキシンセンサーラインを用いた長時間タイムラプス解析により、クロロネマ頂端幹細胞とカウロネマ頂端幹細胞の中間形態を示す細胞が、オーキシン濃度と細胞伸長速度の周期的変動を示すことを発見した。一方、オーキシン合成・分解を制御する遺伝子の発現には違いが見られなかったことから、オーキシン輸送と細胞ダイナミクスによるフィードバック機構がオーキシン濃度変化の周期性を生み出し、その機構により周期的細胞運命転換が誘導される可能性が示唆された。(2) PGP19bの細胞内局在制御に関わる因子を探索するため、ビオチンリガーゼTurboIDを用いた近位依存性ビオチン標識法によりPGP19b近傍に存在するタンパク質を同定することを試み、複数のビオチン化されたタンパク質を確認できた。そこでビオチン化されたタンパク質をアビジンビーズで回収し質量分析装置で解析したところ、膜輸送、細胞骨格、タンパク質分解を制御する因子が見つかった。そこで、これらの因子とPGP19bの関係を調べるため、それらの遺伝子欠失株の作製を開始した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Science Advances
Volume: 8 Issue: 4 Pages: 1-12
10.1126/sciadv.abk2116
Current Opinion in Plant Biology
Volume: 65 Pages: 1-7
10.1016/j.pbi.2021.102123
Autophagy
Volume: Online ahead of print Issue: 6 Pages: 1-4
10.1080/15548627.2021.1975913
The Plant Journal
Volume: Online ahead of print Issue: 2 Pages: 1-10
10.1111/tpj.15184
Nature Plants
Volume: 6 Issue: 9 Pages: 1098-1105
10.1038/s41477-020-0745-9
バイオサイエンスとインダストリー
Volume: 3 Pages: 240-241
https://www.nibb.ac.jp/sections/division/hasebe/
https://www.nibb.ac.jp/evodevo/
http://www.nibb.ac.jp/sections/evolutionary_biology_and_biodiversity/hasebe/
http://www.nibb.ac.jp/evodevo/