Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
動物や植物の器官発生や器官を再生するためには、様々な細胞を生み出す能力である「多能性」を持った幹細胞のはたらきが非常に重要である。特に、植物は高い再生能力を持っており、多能性を持った幹細胞を新たに生み出すこともできる。私はこの植物を題材として、細胞が多能性を持つとはどういうことなのか?という本質的な問いに挑戦する。そのために、細胞ひとつひとつの遺伝子発現状態を解析するための最新技術である1細胞RNA-seq という手法、および、遺伝子発現の動的な変動を調べるためのイメージング技術を駆使し、多能性細胞が持つ特徴を調べる。
植物は高い再生能力を持っており、体細胞から多能性を持ったカルス細胞を形成し個体を再構築できる。植物の器官再生メカニズムに関して分子遺伝学的な知見は蓄積してきたものの、「細胞が多能性を持つとはどういうことなのか」「多能性細胞はどうやって複数の細胞種を生み出すのか」といった根本的な問いは未解明のままである。本研究では、1細胞RNA-seq (scRNA-seq) 解析を用いて上記の問いを明らかにすることを目指す。今年度は、シングルセルRNA-seq 解析で得られたデータに基づき、細胞種特異的に発現する遺伝子の同定と発現部位の解析を進めた。その結果、一見して無秩序に見える細胞集団のなかにも、特徴的な遺伝子発現と形態を有する細胞種があることが明らかになりつつある。また、野生型と突然変異体の比較も進めており、細胞種の変化が起こっていることも見えてきた。また、予想外の結果から多能性細胞の性質を理解するための手がかりが得られている。私がかねてより着目して研究してきた転写因子は、表現型解析に基づき多能性細胞がその後辿る分化運命を決定するプロセスに関わる因子だと当初は想定していたが、解析を進めるにつれて多能性の獲得に おいても重要な役割を果たすことがわかった。今後、さらに機能解析を進めることによって、多能性の制御メカニズム解明につながることが大いに期待できる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 5 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)
Plant and Cell Physiology
Volume: ー Issue: 5 Pages: 618-634
10.1093/pcp/pcac017
The Plant Journal
Volume: Online ahead of print Issue: 2 Pages: 1-10
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Plant Physiology
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New Phytologist
Volume: 232 Issue: 2 Pages: 734-752
10.1111/nph.17594
Volume: 184 Issue: 1 Pages: 330-344
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Current Opinion in Plant Biology
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生物の科学 遺伝
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