Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2種のヘム分解酵素(ほ乳類型HOおよび結核菌型MhuD)の鍵反応について、両者で劇的に異なる共通中間体の反応機構を解明し、酵素による反応制御の本質に迫る。これらの機構解明は従来法では困難なため、光解離性基で保護した共通中間体を用いた光駆動反応を解析する。溶液状態での光反応で中間体の検出・補足条件を最適化し、結晶状態の光反応によって酵素反応を分子動画として捉え、理解することを目指す。
本研究ではケージド反応中間体を用いた光駆動反応の解析により、2種のヘム分解酵素(HOとMhuD)の特異な反応機構を解明することを目的としている。前年度までにo-nitrobenzylで保護したケージド水酸化ヘムの合成に成功したが、光照射によるアンケージング反応が効率的には進行せず、期待した生成物は見られなかった。そこで今年度はphenacyl基や脱炭酸を伴う光解離性基などを含む水酸化ヘムの合成と光解離反応を検討した。モデル化合物での検討では、o-nitrobenzyl基を含むすべての場合で良好な解離反応が見られた。しかし、水酸化ヘムを用いた場合には、長時間の光照射によっても解離がほとんど進行しなかった。光励起状態が中心鉄によって緩和され、解離が起きにくいものと考えられる。以上の結果を受け、高速分子動画撮影に必要な反応トリガーを光解離から溶液混合へと変更した。つまり、未保護の水酸化ヘム-酵素複合体を嫌気状態で調製し、酸素と迅速に反応させることで、構造変化の観察を試みることとした。まず、ベンゾイル保護した水酸化ヘムを合成し、異性体分離後に保護基を脱離させることで水酸化ヘムを合成した。得られた水酸化ヘムと酵素との複合体を嫌気グローブボックス中で調製し、簡易精製ののちに結晶化を試みたところ、単結晶らしきものが得られることを確認した。今後、水酸化ヘム複合体の構造解析を行うとともに、微結晶の大量調製法を確立し、酸素との反応による高速分子動画の撮影を予定している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS Sensors
Volume: 7 Issue: 3 Pages: 748-757
10.1021/acssensors.1c02153
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 60 Issue: 20 Pages: 11378-11383
10.1002/anie.202016684
Biochemistry
Volume: 59 Issue: 40 Pages: 3918-3928
10.1021/acs.biochem.0c00731
Cell Chemical Biology
Volume: 27 Issue: 12 Pages: 1521-1531
10.1016/j.chembiol.2020.09.003