Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1) NPEcagedGTP・Ras複合体微結晶に加え、光制御下でのcage離脱速度がより速いpHPcagedGTP を用いたSFXを実施しポケット開閉運動初期のデータ収集を行う。2)溶媒条件を多様に変化させた微結晶溶液のX線結晶解析を実施するとともに、溶液・固体NMR測定によりGTP加水分解に係る比較的遅い反応時間帯の時分割データ収集を行う。3)Rasの上・下流の調節分子存在下でcagedRasの光制御によるNMR測定を実施、当該分子のRasへの認識・活性制御メカニズムを原子レベルで解析する。微結晶を用いたSACLAならびにSS-ROX及び固体NMRによる時分割測定も適宜検討・実施する。
①光制御下でのcage離脱速度がより速いpHPcagedGTP 型H-Rasを用いたSFXを実施>ポケット開閉運動初期のデータ収集目的で合成経路の探索・外注試験合成(ナード社)を行っていたpHPcagedGTPの入手が完了した。H-Rasとの複合体を作成し、光照射下GTP加水分解反応を観察するためのin vitro試験を実施したところ、光照射後GTP型の産生が確認できたため、Rasとの複合体の結晶化条件のスクリーニングを行った。その結果、複数の条件で単一結晶の生成が確認できた。②一方、pHPcagedGTP・Ras複合体の光非照射下(cage離脱反応前)・X線結晶解析では、GDP型あるいはGDP/GTP型の識別困難なRasの構造が確認されたことから、前年度に使用したNPEcagedGTPに比して量子収率が格段に良好なpHPcagedGTPの使用にあたっては、光照射前にcage離脱を防止するためのより厳密な溶液調整条件の検討が必要と考えられた。③GTP加水分解の構造パスウェイ解明のための、pHPcagedGTP 型H-Ras微結晶を用いた照射・固体31P_ NMRの詳細な解析では、 cage離脱後State 1からState 2を経てGDP型が生成することが立証された。固体NMR測定によりState変化を経たGDP型生成において重要であることが確認された、いくつかのタイムポイントにフォーカスしたSS/ROX測定を実施した結果、前年度の光照射HSQC_NMR測定とアミノ酸残基ごとのkinetics解析により同定したRasのGTP加水分解の新規駆動領域「アロステリック領域(α3ヘリックスとP-loop)」の構造変化が、GDP型生成前に起こることが証明された。④以上の研究成果を、第94回日本生化学会大会等に発表するとともに、論文発表の準備段階にある。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)