Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
TRPチャネルは、脊椎動物において環境温度の感知機能を担う陽イオン選択的イオンチャネルである。これまでに、TRPチャネルの立体構造から熱刺激受容による活性化機構のモデルが提唱されたが、生理的環境下において起こる構造変化と同一か疑問が残る。加えて、温度センサー部位については情報が得られていない。そこで、本研究ではタンパク質の構造変化を高い時空間分解能で動画化することが可能なシリアルフェムト秒X線結晶構造解析 (SFX) 法に温度ジャンプ法を組み合わせ、熱刺激直後に起こる構造変化を検出することによりTRPチャネルの温度センサー部位の同定を目指す。
TRPチャネルは、環境温度の感知機能を担う陽イオン選択的イオンチャネルである。これまでに、TRPV3が熱刺激を受けたのちの感作状態及び活性化型の立体構造が報告されているが、熱感知機構において最も重要な温度センサー部位については情報が得られていない。そこで、本研究ではタンパク質の構造変化を高い時空間分解能で動画化することが可能なシリアルフェムト秒X線結晶構造解析 (SFX) 法に温度ジャンプ法を組み合わせ、熱刺激直後に起こる構造変化を検出することによりTRPチャネルの温度センサー部位の同定を目指す。ついで、この構造変化が生理的環境と類似した脂質膜環境下と同一であるかを赤外分光法により検証する。さらに、温度感知域の異なるTRPチャネルに対しても同様の解析を行い、TRPチャネル間に共通する熱感知機構を抽出する。今年度は、TRPV3微結晶の高品質化と大量調製及び、TRPV3とは異なる温度域で活性化するTRPV4の構造解析に取り組んだ。TRPV3精製試料の品質を確認するため、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析を実施した結果、3.5A分解能で構造決定することができ、十分な均一性を持つ精製試料であることが実証された。本試料を用いて、さまざまな界面活性剤に置換したのちに結晶化を試みたが、現時点では高品質化するには至っていない。また、赤外分光法によるTRPV3の構造変化を検出するために、膜骨格タンパク質を用いて脂質環境を再構成した試料を調製し、現在分析を行なっている。一方、TRPV4ではクライオ電子顕微鏡単粒子解析を進め、4A分解能のマップを得ることに成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 1 results) Presentation (10 results)
Biochem. Biophys. Res. Commun.
Volume: 593 Pages: 144-150
10.1016/j.bbrc.2022.01.018
Volume: 596 Pages: 43-48
10.1016/j.bbrc.2022.01.053
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 61 Issue: 20
10.1002/anie.202117430
Volume: 60 Issue: 41 Pages: 22401-22410
10.1002/anie.202106186
Nature Structural & Molecular Biology
Volume: 27 Issue: 7 Pages: 645-652
10.1038/s41594-020-0439-z
Biophysical journal
Volume: 119 Issue: 9 Pages: 1760-1770
10.1016/j.bpj.2020.09.026