Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
近年,神経生理学の研究において、運動のバラツキが運動計画時の運動野神経細胞群の状態(脳状態空間)に依存していることが明らかになっている。本研究では、ヒト運動のバラツキに関連した神経基盤の調査のため、脳波(EEG)を用いた運動実験を実施し、複数の脳領域から構成される状態空間(Neural Manifold)と運動・行動の関係を調べることを目的とする。また、「超適応」時にはこの脳状態空間表現の初期状態が変化している可能性が高いと考え、運動前の背景脳活動の操作による異なる脳状態空間(「疑似超適応」状態)への遷移について検討を行う。
近年,身体運動の脳内表現は、運動計画時や実行時の神経活動群から構成される低次元の状態空間 (Neural Manifold)での位置に依存することが明らかになっている.一方で,運動に関連する複数の脳領域がどのように関連しているのか、その脳領域間の関係性や相互作用は明らかになっていない.このような複数の脳領域が関与する全脳レベルでの低次元ダイナミクス遷移が明らかになれば、ヒトの運動や適応、学習などを深く理解できる可能性がある。そこで,本研究では,ヒトの身体運動に関与している脳活動を全脳レベルの状態空間ダイナミクスとして同定できる手法についての検討を行った.具体的には脳機能結合の低次元空間表現を明らかにするために、2つの低次元空間同定手法を検討した。最初に、非侵襲で脳活動が計測できる脳波(Electroencepharogram; EEG)を対象とし,そのうちの一つとしてグラフィカルモデル(Time-varying graphical Lasso)を用いた低次元空間可視化手法を検討した.次に、有向グラフを用いた手法として、自己回帰モデル(auto-regressive models)とカルマンフィルタを用いた手法について検討を行った。両手法においても、異なるタスク状態を可視化できる可能性を示唆する結果を得ることができた。今後、さらに検証を行い、手法を確立させると同時に両手法の比較、そして別のデータへの適用を検討していく。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021
All Presentation (2 results)