Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
超高齢化が進む我が国においては、加齢や神経疾患・精神疾患による運動機能障害、高次脳機能障害(認知症など)が問題になっている。心身機能が低下した「フレイルティ」状態は、QOLを低下させることになる。健康で幸福な生活を送るために、心身機能を回復させるための治療・リハビリテーションの理論、方略の確立が求められている。生きる主体の意欲、気分、動機付けなど、アウェアネスのレベルからトップダウンに心身機能に働きかけることは重要であり、より広汎な神経系を駆動させ、機能を回復させる方略となる。我々は、いかに神経系の再編成を強化し、心身機能の超適応を促通し、回復に至らしめるかについての理論、方略の確立を目指す。
本研究項目では、神経疾患・精神疾患において異常な状態にある心身機能を「回復」させるために、主体の意識・アウェアネスのレベルからトップダウンに神経系にはたらきかけ、神経系の再編成を通じて、心身機能の超適応を促通する方法の確立を目指してきた。具体的アプローチとして、「主体感:Sense of Agency(SoA)」の精度を向上させるための認知リハビリテーション方略(Agency Tuning)を開発し、将来的な介入研究の基盤研究として、観察研究を進めている。主体感という、人間が環境に適応して生きていくための基盤となる意識・アウェアネスの精度を向上させることにより、疾患・病態横断的に心身機能の「回復」がみられることが期待される。いわば、こころ(体験)から脳へと介入し、脳を変えようという試みである。ボトムアップな神経科学的アプローチと相補的に進めることで、超適応が、より高い水準で実現できるものと考えている。本年度の成果としては、Agency Tuningのために開発してきた『Agency Tuner』を用いた研究において、1)『Agency Tuner』を、我が国のみならず、米国でも公開し、広く研究ツールとして社会実装を展開したこと、2)パイロットデータとして、統合失調症、自閉スペクトラム症、ADHDなどの精神疾患において、主体感の生成のための予測モデルの学習に違いがあることを示したこと、3)心身機能の超適応による「回復」をとらえるための一方法として、スマートフォンのライフログからユーザのQOL/Wellbeingを推定する技術を確立したこと、などが挙げられる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 5 results) Presentation (7 results) (of which Invited: 5 results) Remarks (2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results) (of which Overseas: 1 results)
Frontier in Digital Health
Volume: 4 Pages: 780566-780566
10.3389/fdgth.2022.780566
情報処理学会論文誌
Volume: 62(4) Pages: 1-15
170000184841
Frontiers in Neurology
Volume: 12 Pages: 626608-626608
10.3389/fneur.2021.626608
Human Movement Science
Volume: 75 Pages: 102743-102743
10.1016/j.humov.2020.102743
Research in Developmental Disabilities
Volume: 107 Pages: 103794-103794
10.1016/j.ridd.2020.103794
Frontiers in Psychology
Volume: 11:539957 Pages: 539957-539957
10.3389/fpsyg.2020.539957
http://psy.keiomed.jp/computation.html