Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、認知機能個人差を考慮したテイラーメードニューロフィードバック訓練環境・プロトコル確立とそれを用いた運動学習効果促進を目指す。これを検証するため、まず個々の脳機能特性を脳活動から定量化したうえで、ニューロフィードバック訓練において賦活させる神経回路(ゴール) を適切に切り替える。最終的には、このような個人差を考慮するプロトコルを適用することで、高齢者の認知機能(注意制御能力)・運動機能(適応能力・運動学習能力) の保持・再獲得が促進することを示す。さらに、その訓練効果を予測するモデルの提案を目指す。
本研究では,低次感覚野における脳活動から個々人の注意制御能力を定量化する手法を応用し,ニューロフィードバックを用いた認知機能向上のための訓練環境確立を目指した.本年度においては,昨年度に引き続きニューロフィードバック訓練の効果を実証するための実験を継続した.実験においては,参加者を自身の脳活動がフィードバックされるReal群と,事前に他者の脳活動がダミーでフィードバックされるSham群(統制群)に分けた.これら2群の結果を比較することで提案訓練システムの効果を示すことを試みた.具体的な訓練効果として,Real群においては,ニューロフィードバック訓練中において体性感覚野や視覚野における応答増幅に成功した.さらに,ニューロフィードバック訓練前後においては,反応課題や運動制御課題など複数の課題を組み合わせて実施し,低次感覚野応答の変化に伴う脳機能への影響を評価した.その結果,注意機能の向上と共に,運動に関する判断や意思決定などの認知的プロセスに影響を及ぼすことが明らかとなった.加えて,このようなニューロフィードバック訓練効果は,身体へ注意を向けることが得意な個人の方が得やすい傾向も確認された.ただし,このような訓練効果はSham群においては認められなかった.以上の成果は,ニューロフィードバック訓練において,個々人の認知機能レベルを考慮して訓練の内容を選択したり,訓練効果を予測するようなテイラーメードなプロトコルの重要性を示唆する.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Frontiers in Systems Neuroscience
Volume: 16 Pages: 774475-774475
10.3389/fnsys.2022.774475
PLOS ONE
Volume: 15 Issue: 8 Pages: e0238235-e0238235
10.1371/journal.pone.0238235