Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、植物の細胞内で鉄の過不足を感知するセンサー分子の候補であるイネの HRZ タンパク質について、鉄の感知機構を明らかにすることを目指す。具体的には、鉄や亜鉛によりHRZ タンパク質の安定性、ユビキチン化活性、他のタンパク質との相互作用、および鉄欠乏応答がどのように変化するかを分子レベル・個体レベルで明らかにすることを目指す。また、HRZ タンパク質の構造と、鉄や亜鉛が結合した時の変化を明らかにすることを目指す。
前年度に引き続き、イネのHRZ(OsHRZ1、OsHRZ2)と相互作用する OsbZIP83転写因子と2種類のグルタレドキシン(OsGRX6、OsGRX9)のin vitro実験を継続した。OsbZIP83、OsGRX6、OsGRX9 が HRZ依存的に26Sプロテアソームによる分解を受けること、OsbZIP83については鉄欠乏によりこの分解が促進されることを確かめた。また、OsHRZ1、OsHRZ2とOsbZIP83、OsGRX6、OsGRX9 との相互作用を植物細胞でのbimolecular fluorescence complementation (BiFC) アッセイにより確かめた。これらは形質転換イネの実験結果と合わせてThe Plant Journal誌にオンライン掲載された(DOI: 10.1111/TPJ.15767)。さらに、in vitro分解実験により、OsHRZ1 自身もHRZ依存的に26Sプロテアソーム系で分解されることを見いだした。CRISPR/Cas9 法により HRZ の4種の金属結合ドメインに変異を入れたイネについて、前年度に引き続き遺伝子型と表現型の解析および次世代の獲得を継続した。OsHRZ1またはOsHRZ2の上記のドメインのいずれか一つ以上に変異が導入された系統では、種子に鉄が顕著に蓄積した。また、これらの代表的な系統で水耕栽培試験を行ったところ、鉄欠乏耐性を示した。これらの結果から、これらのドメインはいずれもHRZの機能に必須であることが示唆された。HRZの立体構造と、その金属結合状態による変化を解析することを目的として、共同研究によりHRZの全長および部分長について大腸菌発現系および精製、結晶化の検討を行った。また、共同研究によりNative質量分析を試みた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 6 results) Book (1 results) Remarks (1 results)
The Plant Journal
Volume: - Issue: 6 Pages: 1731-1750
10.1111/tpj.15767
Japanese Journal of Soil Science and Plant Nutrition
Volume: 92 Issue: 2 Pages: 141-147
10.20710/dojo.92.2_141
130008024140
https://bio-metal.org/research-video/series-4-plants