Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
サルモネラ菌の運動器官であるべん毛は水素イオン流を回転力に変換する回転分子モーターである。べん毛モーターには反転制御装置が装備されているため、モーターは水素イオン流の向きを変えずに時計回りにも反時計回りにも回転し、その回転方向は環境中の化学物質に反応してミリ秒程度の短い時間でギアを切り替えるように瞬時に切り替わる。さらに、回転方向の切り替え頻度はべん毛モーターが発生する回転力にも依存する。本研究は、走化性シグナル感受性が変化したべん毛モーターのスイッチ頻度を定量的に計測し、当該領域計画班の理論グループの協力を得ることで、べん毛モーターの反転制御装置の設計原理の解明を目指す。
本年度の主な成果は以下に示す。1.CheY-PはFliMのN末天然変性領域に存在するLSQXEIDLLモチーフに強く結合し、その結果べん毛モーターの回転方向がスイッチする。べん毛モーターの回転方向がCCW方向にバイアスされるfliM(D39M)およびfliM(Q39M)変異体を単離し解析した結果、CheY-PによるLSQXEIDLLモチーフを含む天然変性領域の構造変化により、べん毛モーターの反転制御装置であるCリングの構造変化が誘起されることが示唆された。さらに、CheY-PがCリング構成蛋白質であるFliNに存在する結合サイトに結合することにより、Cリングの全体構造がCCWからCWの状態にスイッチに重要であることが示唆された。2.回転子であるMSリングの構造解析を行なった結果、34分子のサブユニットが2つの異なる構造で集合してMSリングを形成していること、その結果、MSリングの内部には34回、23回、11回の回転対称構造があることが明らかとなった。さらに、FliGリングも34分子のサブユニットで構成されていることが判明した。3.クライオ電子顕微鏡を用いて軸受として働くLPリング複合体の分子構造を3.5Å分解能で解析した結果、LPリングが回転軸との間の静電引力と静電反発力をバランスよくもちいて摩擦によるエネルギー散逸を最小化していることが明らかとなった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 6 results) Presentation (5 results) Book (1 results) Remarks (2 results)
Biomolecules
Volume: 11 Issue: 5 Pages: 741-741
10.3390/biom11050741
Nature Communications
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 4223-4223
10.1038/s41467-021-24507-9
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 4469-4469
10.1038/s41467-021-24715-3
Subcell. Biochem.
Volume: 96 Pages: 297-321
10.1007/978-3-030-58971-4_8
mBio
Volume: 12 Issue: 2
10.1128/mbio.03199-20
Volume: 10 Issue: 9 Pages: 1255-1255
10.3390/biom10091255
Computational and Structural Biotechnology Journal
Volume: 18 Pages: 2897-2907
10.1016/j.csbj.2020.10.009
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/2ce577c0931a0530.html