Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
根圏微生物は植物の生育促進を担っており、それらを制御することは持続的な作物生産において非常に重要である。本研究では、根圏微生物の組成に影響を及ぼす根圏土壌の理化学的要因を明らかにする。さらに機械学習といった様々な解析を駆使することで、非根圏土壌微生物叢と土壌理化学性から根圏微生物叢を予測するモデルの作成を行う。またモデルの中身を分析することで、根圏微生物叢形成のキーとなる微生物も明らかにする。
根圏にはその環境に適応した土壌微生物群が多数存在する、微生物のホットスポットである。根圏微生物には窒素固定を行う根粒菌や、植物病害を抑えるPseudomonasなど様々な有用菌が知られている。この根圏微生物組成には①ソースとなる非根圏の微生物叢および②選択圧となる根圏環境が影響を与えることが明らかとなっている。微生物の群集に関わるファクターは複雑に絡み合っており、その要因解析は困難であった。近年、PCの高スペック化や統計学手法の発展、機械学習の導入などに伴い、多くの因子から特定のパターンを見出せるようになった。そこで本研究では機械学習などの情報処理技術を導入することで、根圏理科学性と土壌微生物叢からの根圏微生物叢予測モデルの構築を目的とした。今年度は筑波大学の長期連用圃場から7つの異なる施肥処理でサツマイモ栽培を実施し、福島の水田土壌では4つの異なる施肥処理でそれぞれ2品種の栽培を実施した。それぞれの圃場から根圏、非根圏土壌を合計180サンプルを採集した。それぞれのサンプルについてNGSを用いた微生物性解析および各種土壌理化学性解析(土壌pH, CN含量)、土壌メタボローム解析を実施した。まず土壌微生物生はモデル構築に向けた条件検討を行った。まず微生物性は筑波圃場では施肥条件ごとに別れた。一方、福島水田では品種の影響が大きく、施肥条件による違いはあまり見られなかった。現在は根圏、非根圏土壌において細菌叢を構成する主要な微生物を選抜し、それらの変動と各種理化学性との関連について検討を行っている。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。