脳・言語共進化仮説に対するdifussion chainを用いた実証研究
Publicly Offered Research
Project Area | Experimental Social Sciences: Toward Experimentally-based New Social Sciences for the 21st Century |
Project/Area Number |
21012004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山内 肇 独立行政法人理化学研究所, 生物言語研究チーム, 研究員 (80467125)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABLA Dilshat (DILSHAT Abla) 独立行政法人理化学研究所, 生物言語研究チーム, 研究員 (00391847)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 言語進化 / 文化進化 / 心理実験 |
Research Abstract |
本研究は世代間で行われる言語獲得の連鎖によって発生する言語の文化進化的形成過程において学習にかかわるバイアスがどのように影響するかを、Diffusion Chainと呼ばれる実験パラダイムを用いて明らかにするものである。 本年度の実験では個々の被験者が接する実験の形態に関しては昨年度からの大きな変更は無いが、得られたデータを次世代の入力とする際、他の系統からの侵入を許すようChainのデザインを行い、学習データにバイアスを導入した。世代が経るに従ってデータは構造化されていくことが昨年度の研究で確認されているが、侵入が早い世代で行われた場合は侵入したデータは強い学習バイアスを引き起こす事はなく、侵入がない場合の文化進化の結果と大きな差がないことが確認された。逆に、進化後期の侵入では、既に構造化された二つの言語ブランチが競合することとなり、結果的に大きな構造の変化が確認された。これは現実の言語現象であるピジン・クレオール現象に対応する。さらに、進化初期の世代に進化後期にある系統の出力データを侵入させたケースでは、個々の実験結果にばらつきが多く見られ、定性的な結果は得られなかった。 本年度はここ数年、米国内で大きな注目を集めているMechanical Turkとよばれるクラウドプラットフォームを利用した実験実施の可能性を探り、実際に同プラットフォームを用いてDiffusion Chain実験を行った。MTurkはネット上において高い匿名性を維持したまま実験を行うことが可能であり、短期間で数多くの被験者を集めることができる。このようなクラウド型の実験環境は米国では次世代の実験形態と考えられており、実験パラダイムそのものの見直しが進む可能性も取りざたされている。同様の研究形態は今後日本でも普及が進むと考えられ、本研究の個別性を越え実験社会科学の意義に合致するものと考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)