Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,形状知覚の皮質メカニズムを計算論的に理解し,これを実画像に適応できる画像理解アルゴリズムとして提案した。特に,形状知覚の柱となる2つの基礎機構,(1)局所的な図方向の自立的な群化,(2)注意による選択,について計算論的に理解し,(3)注意による群化の変調によって領域・物体が選択されることを基礎とした,知的な形状認知を実現するアルゴリズムを提案した。 まず,運動方向への注意を利用して,特徴に基づく注意による図方向知覚の変調について,心理物理学的に検討した。具体的には,自然画像輪郭を利用して,輪郭を境に運動方向を変えた刺激を作成した。これを実験に供して次の測定を行った:(1)運動方向によって構成される2面における,図方向判断とその反応時間,(2)一方の運動方向に注意を向けたときの,図方向判断と反応時間の変調程度。さらに,これらの実験の結果から(3)特徴注意による図知覚の変調の程度を,局所手掛りをパラメータ(説明変数)として,多変量解析によって評価した。これらの心理物理実験から,図方向を誘導する局所手掛りの強度と,空間的注意・特徴的注意の強度の競合関係が明らかになった。 さらに,図方向群化の注意による変調を研究した。昨年度に構築したモデルの同期と遷移について,その時間と程度を測定してランク付け,心理実験の結果と比較した。すなわち,局所的図方向が注意によって変調され,大域的な図へと誘導されるモデル特性を,知覚特性と比較した。両者は良い一致を見せた。このことは,提案する図方向判断・群化のメカニズムが妥当であることを示す。
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