pH・栄養塩・溶存酸素・クロロフィルにおける地球温暖化の影響評価:検出と要因特定
Publicly Offered Research
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
21014003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
見延 庄士郎 Hokkaido University, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70219707)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 溶存酸素 / 栄養塩 / 地球温暖化 / 全球 / 格子化 / 十年スケール変動 / 黒潮大蛇行 |
Research Abstract |
前回の公募研究で作成した栄養塩・溶存酸素についての全球グリッド・データは,その基礎となる海洋観測データについてWorld Ocean Database 2005に収録されているものを用いていた.しかし,2009年に新しいWorld Ocean Database 2009が公開されたので,栄養塩・溶存酸素のグリッド・データをこれを用いて作り直した.また最も観測点数が多く,信頼できると考えられるリン酸について,日本の南方で顕著な減少トレンドとそれに重なっている十年スケールの変動について,水温・塩分場などと合わせて解析を行った.その結果,十年スケール変動は,黒潮大蛇行によって引き起こされていることが判明した.すなわち,大蛇行期には,栄養塩が顕著な増加を見せる.このような関係は,特に1960年代初め,そして1970年代後半の長期間持続した大蛇行に伴う栄養塩増加として表れていた.一方,大蛇行期間を除いてトレンドの有意性検定を行っても有意な減少トレンドが見られることから,リン酸塩の減少トレンドは黒潮大蛇行とは基本的に無関係であると結論でき,地球温暖化など他の要因の影響が考えられる.この減少トレンドは,その振幅極大が水深100m付近に見られ,地球温暖化と関係して表層の栄養塩減少メカニズムとして広く受け入れられている仮説である,成層強化による上下混合の抑制では説明し難い.もし,混合抑制であれば100mに減少トレンドの極大が生じるのではなく,それよりも浅い層でより強い栄養塩の減少が見られるはずである.この栄養塩の減少トレンドのメカニズムを理解することは,日本付近の栄養塩分布がそしてそれが影響する海洋生態系が今後どのように変化していくかを議論する上で非常に重要であろう.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)