高分子溶液の相分離における分子鎖凝集ダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
21015002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
槇 靖幸 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50400776)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ソフトマター / 相分離過程 / 凝集現象 / コイル-グロビュール転移 / ゲル化 / エイジング / 履歴現象 / メモリー効果 / 相分離 |
Research Abstract |
高分子希薄溶液の相分離における鎖の凝集キネティクスと個々の鎖のダイナミクスとの相関を明らかにするため、ポリメタクリル酸メチル希薄溶液を用いて、高分子鎖1本のコイル-グロビュール転移と鎖の凝集過程を研究した。コイル-グロビュール転移に関しては、以前に報告された特徴的な履歴現象(メモリー効果)が、鎖集団のサイズ分布に起因するものではなく、個々の鎖の応答に起因するものであることが、動的光散乱測定により示された。また、グロビュール内部の構造が放射光X線小角散乱測定により研究可能であることがわかった。鎖の凝集過程に関しては、静的・動的光散乱実験を行い、Smoluchowskiの理論との比較を行った。Smoluchowskiの理論に基づいて計算される凝集体の会合数分布を用いて、静的光散乱により得られる散乱関数及び重量平均分子量・z-平均二乗回転半径の経時変化と、動的光散乱により得られる自己相関関数及びz-平均拡散平均の経時変化が、それぞれ矛盾なく説明されることが示された。 鎖の粘弾性に起因する高分子凝集構造の特徴的な応答の例として、ゲル化における履歴現象(メモリー効果)を調べた。ゼラチン水溶液のゲルは、多段階温度ジャンプ試験において、粘弾性関数の経時変化がガラスと同様のメモリー効果を示すことがわかった。また、定速度冷却試験では、ゲルの粘弾性関数の経時変化(エイジング)は温度変化速度に依存することがわかった。これらのゲル化における履歴現象は、旋光度の経時変化によっても観察された。旋光度と粘弾性の比較から、ゲルの履歴現象を構造の観点から特徴付け可能であることが示唆された。 ゲル化において高分子鎖ダイナミクスがゲルのマクロな物性に影響を与える例として、透析による多糖類の異方性ゲルについて調べた。複屈折と放射光X線小角散乱を組み合わせた実験により異方性構造を明らかにし、構造形成のメカニズムについて検討した。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)