Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
本研究課題では、多成分脂質膜ベシクルの側方圧誘起構造転移を明らかにすることを目的とした。浸透圧やマイクロキャピラリーにより膜張力をコントロールし、相分離形成の側方圧依存性を明らかにした。さらに、アゾベンゼン脂質を含有する光応答性ベシクルをデザインし、側方圧に関わる膜物性パラメータを光制御することで、ベシクル構造(膜の開閉、相分離)の可逆的コントロールに成功した。(1.側方圧が誘起するベシクル相分離)脂質膜の相分離に関しては、過去に温度・組成比をパラメータとする相図が調べられてきた。本研究では、相分離構造の制御パラメータとして、二次元膜面内の側方圧(膜張力)に着目した。生体内では、細胞骨格等により膜張力が調節されており、等温系で生きる細胞にとって張力は重要な構造制御因子である。不飽和脂質Dioleoyl phosphatidylcholine(DOPC)、飽和脂質dipalmitoyl phosphatidylcholine(DPPC)、コレステロールの三成分からベシクルを作成し、小胞内部からの浸透圧およびマイクロキャピラリー吸引により膜張力をコントロールした。種々の温度環境下において、膜張力を変化させた際の相分離構造を蛍光顕微鏡により観察した。膜張力印加により相分離が誘起されることを明らかにし、温度-膜張力をパラメータとする新たな相図を構築した。(2.ベシクル構造の可逆的コントロール)等温系で生きる細胞は、シグナル分子の吸着等による膜構成分子変化により組織化膜構造を制御している。そこで、リン脂質に光応答性アゾベンゼン脂質を混合し、光異性化によるシンプルな膜分子変化をベシクルに導入した。ベシクル小胞開閉の制御、および膜面上における相分離構造の生成・消滅の制御に成功した。膜挙動の解析から、光異性化反応に伴う膜物性変化を見積もり、自由エネルギーにより物理メカニズムを定量的に説明した。
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