Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ヘキサデカンで表面修飾したヒュームドシリカ粒子の凝集構造を制御するために、1)極性の異なる分散媒たシリカ粒子を懸濁させた場合と2)分散媒に高分子を溶解した溶液にシリカ粒子を懸濁させた場合のサスペンションについて、せん断流動誘起によるシリカ粒子の凝集構造の転移とそのレオロジー挙動を解明することを研究の目的とする。但し、1)では分散媒とシリカ粒子の相互作用を、2)では高分子の枯渇作用を利用したものである。分散媒にはジオキサン(D)トルエン(T)を、高分子には分子量の異なるポリスチレン(PS)を用い、シリカ濃度を変化させた。Dに分散したサスペンションの定常流見かけ粘度とせん断速度のプロットはシア・シックニングを示し、これはシリカ粒子の凝集構造がせん断によって部分的な崩壊・再構築を繰り返しているためであることを中性子散乱測定からも確認できた。Tに分散した場合には、明確なシア・シックニングは観察されなかった。また、PSを添加しても定常流見かけ粘度とせん断速度のプロットは殆ど変化しなかった。これは、枯渇作用が弱い相互作用であるためである。シリカサスペンション中の凝集構造を壊さずに、線形応答を示す低いひずみ領域を含む応力-ひずみ曲線と動的粘弾性のひずみ依存性を測定した。ここでは、広いひずみ領域をカバーできる応力-ひずみ曲線に着目して述べる。Tに分散したサスペンションは広いシリカ濃度に亘り安定であるために、Dに分散した場合に比べ特異な応力-ひずみ曲線が観察された。シリカ濃度の増加に伴い、プレゲル状態の応力-ひずみ曲線には降伏応力が一つ、ゲル状態には二つの降伏応力が観察された。さらに、二つの降伏応力の値は共にシリカ濃度の増加に伴い大きくなることが分かった。ゲル状態を凝集構造が繋がった会合構造と考えるならば、低い降伏応力で会合構造の一部が崩壊し、高い降伏応力では凝集構造単位まで壊れるものと予想される。枯渇作用によって応力-ひずみ曲線の降伏応力の値が大きくなり、その変化量は同じPS濃度において低分子量のPSのほうが高いことが明らかになった。このことは、枯渇作用が低分子量ほど大きいことに対応している。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (15 results)
J.Dispersion Sci.Technol.
Volume: 32(印刷中)
Langmuir
Volume: 26 Pages: 9393-9396
Volume: 31 Pages: 1479-1488
Langmuir 26(印刷中)
J.Dispersion Sci.Technol. 31(印刷中)