ガラス形成物質における非平衡緩和機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
21015026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
深尾 浩次 立命館大学, 理工学部, 教授 (50189908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健二 立命館大学, 理工学部, 助教 (00511693)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 高分子ガラス / 非平衡緩和 / エイジング現象 / 誘電率 / α過程 / 超薄膜 / アノマリー / エイジング / ガラス転移 / 記憶効果 / 誘電緩和測定 / 電気容量 / 揺動散逸定理 |
Research Abstract |
ソフトマターの非平衡構造とダイナミクスの解明を目標として、高分子ガラスでのエイジング現象の解明が本研究の主題である。薄膜におけるガラス転移温度の低下には、α過程のダイナミクスが薄膜で速くなることに関係すると考えられ、エイジングダイナミクスもまた、膜厚に依存すると期待されている。今年度はこのエイジングダイナミクスの詳細を明らかにするため、ポリ2-クロロスチレン(P2CS)超薄膜におけるエイジングダイナミクスの誘電緩和測定を昨年度に引き続き行った。測定はガラス転移温度以上で熱履歴を消去したのち、エイジング温度T_aまで降温し、等温エイジングを行う、その後、室温まで降温させる。その結果、通常の等温エイジングでは、誘電率虚数部ε"は単調減少するが、膜厚3.7nmの超薄膜でε"の増加というアノマリーが観測された。さらに、T_a=348K、d=3.7nmの薄膜ではエイジング時間に対して、ε"は極大を持つことが明らかとなった。これはε"のエイジング時間依存性が膜厚とエイジング温度に依存し、また、競合する2つのタイムスケールがあることを示す。誘電緩和測定によるセグメント運動のダイナミクスの観測によると、α過程に対応するピーク強度は膜厚が減少すると小さくなる。さらに、d=3.7nmでは320K付近に表面,界面に近い液体的な層でのセグメント運動の寄与によるもう1つのピークα_1過程が見られる。詳細な比較により、超薄膜の等温エイジングにおけるε"の増加は、α_1過程と関係していることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)
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[Book] 高分子の物理(改訂新版)2010
Author(s)
深尾浩次, 宮本嘉久, 田口健, 中村健二共訳, G.R.Strobl著
Total Pages
503
Publisher
シュプリンガー・ジャパン
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