Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
平成22年度は深紫外発光素子に必要となるAlN/サファイアテンプレート構造の高品質化・厚膜化をはかるために、2光束成長その場観察技法を駆使し結晶成長技法を見直し、最終的に265nm帯で1mWを越える発光強度のLED作製に至った。1. 極性混在結晶成長法の開発:通常、高品質AlN成長には少なくとも1250℃以上の成長温度が必要と認識されているが、当手法では、1100~1150℃程度の成長温度で高品質化が可能となる。具体的には、サファイア基板上にAlN初期膜を形成する際、Al極性とN極性を混在させて成長させる。この極性混在面を成長中断で熱処理し、熱分解速度がAl極性部に比べて速いN極性部位を優先的に熱分解させる。その結果、Al極性部からなる3次元微細構造が表面に形成される。この構造を下地として、表面マイグレーション促進、気相反応抑制効果をもたらす流量変調法でAlN成長を継続すると2インチ基板上にクラックフリーで高品質AlN層を形成することが可能となった。このAlN層上SiドープAlGaN(Al組成45%程度)層を形成すると、以前はクラック発生のために1×10^<18>cm^<-3>程度でドーピング限界となっていたが、3次元成長→平坦化といった結晶高品質化を導入したことによりクラック発生限界に余裕ができ4~5×10^<18>cm^<-3>程度の高濃度化が可能となった。こうした技術をもとに試作した265nm帯LEDは1mWを越える発光強度を示すようになってきて、今後さらなる改良により世界トップグレードのウェハに肩を並べることができるようになると考える。2. 短波長レーザーによるレーザーリフトオフ:これまではレーザーリフトオフ用光源には266nmのレーザーを用い、AlN~AlGaN層界面でレーザーリフトオフを行ってきた。しかし、こうしたエピ膜内でのレーザーリフトオフ剥離面形成は非常に困難であった。n-AlGaN層の高濃度ドーピング=低抵抗化が可能となってきたことから、レーザーリフトオフ法の意義は電極対向面配置の縦型素子構造より、むしろ熱抵抗の大きなサファイア基板を除去することとなるとの判断から、193nmのレーザーを用いたリフトオフ法を試行した。その結果、リフトオフ法での歩留まりの低さはかなり改善できる手応えを得た。3. 280nm帯LEDによるオゾンセンシング:既存のオゾン測定装置は水銀ランプを用いることからサイズが大きく、信号の安定度の問題などもあった。実際、280nm帯LEDを用いて光路設計も新たに行いオゾンが検知できることを実証した。現在、装置の小型化を進めているところである。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (35 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results)
ELECTRONICS LETTERS 45
Pages: 1346-1347