Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ガンマ線バーストは、数秒から数百秒程度の間、主にガンマ線の波長で明るく輝く突発天体現象である。近年の観測、理論の進展よりその一部が重力崩壊型超新星爆発を伴う相対論的な流速を持ったジェット状のアウトフローからの放射であることが分かってきた。しかし、ジェットの形成機構、即時放射の放射機構は解明されていない。親星の内部から外層を突き破って星周物質空間へ伝播する相対論的ジェットの流体シミュレーシヨンを行い、光球面からの熱的放射による光度曲線、スペクトルの特性を調べ、熱的成分が見えたといわれるガンマ線バースト(GRB090902B)との比較を行った。親星外層を突き破り、星周物質へ伝播していく相対論的ジェットの流体シミュレーションの各時刻でのトムソン散乱に対する光球面(光学的厚みが1となる面)を求め、熱的放射強度を相対論的ブースト効果を考慮して求め、それを重ね合わせることによって、光度曲線、スペクトルを導出した。ジェットは開き角数度のジェットであるため、観測者が見る方向によってジェットからの放射は異なってくる。光度曲線は見込み角が0度では、非常に明るく10^{53}erg/s程度の光度でかつ、数秒程度の時間変動が見られた。これは光球面がジェット内部に達し、ローレンツ因子分布の不連続構造によって光球面の位置の変動が急激に光速より遅れることによって生じる。見込み角4度を超えると振るまいが変わり光球面は不連続構造に達せずフレア状のタイプとなり。光度も見込み角が大きくなるにつれ低くなり、10度では10^{50}erg/s程度となる。GRB090902Bの観測の解析で得られた光球面での温度、ローレンツ因子め時間変動は、今回求められた見込み角0度の場合と非常に酷似しており、初期にローレンツ因子200程度の成分からの放射を受け、その後、さらにジェット内部のローレンツ因子400以上の成分を受けており、これがジェットの内部構造を反映していると考えると観測をよく説明できることを示した。
All 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
The Astrophysical Journal Letters 709
Pages: 83-87