Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
強磁性電極(鉄薄膜)を有する高In含有InGaAsチャンネルスピンFET(チャンネル長2μm)の室温動作においてスピン軌道相互作用のゲート電圧と思われる電流変調が見られたが、その電流変化の割合は小さく1%程度であった[1]。その後、電流ピーク位置のゲート電圧依存性やそのスピン振幅のドレイン電圧依存性の解析を進め、モンテカルロシミュレーション[2]とよく一致する結果が得られた。スピン緩和が抑制されることが予測されている1次元伝導においてスピントランジスタの非弾性領域での動作を実証するためInAsナノワイヤトランジスタのプロセス開発をおこなった。ゲート電圧の変化により1.7ミクロンのチャンネル長を持つInAsナノワイヤ・スピントランジスタの大きな電流変調が室温観測できた[3]。これはモンテカルロ予測の7割程度の電流振幅であった。デバイスがジュール熱に弱くもろいため再現データを得るためのプロセス開発に時間を要したが、再現実験に成功し、最大電流ピーク幅25%の電流ピークが観測できた。(1)強磁性電極の磁化前、(2)磁化(電流方向)、(3)有効磁場方向(面内で電流に垂直)に磁化後の測定の結果、スピン軌道相互作用が効く(2)の条件のときのみ電流振動が現れ、(3)の条件にすると振動が消えることが確認された[4]。またデバイスのスケーラビリティーを保持するためバンドギャップエンジニアリングによりスピン軌道相互作用を倍増するヘテロ構造を実証した。
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Physica E
Volume: 42 Pages: 2792-2795
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