Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
金属ナノ構造を用いた蛍光増強の場合,励起分子が金属表面の極く近傍に位置するとき,エネルギー移動によって蛍光がクエンチするという難点があった.本研究は,そのような難点を克服し,蛍光増強の新しい場を提供するため,非金属ナノ構造によるクエンチなしの蛍光増強を実現することを目的としている. 本年度は,昨年度までに得られれたGaP微粒子層上のRohdamine B分子の蛍光増強の結果をさらに発展させ,特に蛍光増強のメカニズムを探る研究を実験,理論の両面から行った.微粒子層としては,GaP微粒子のみならず、新しい方法(パルスレーザーアブレーション法)で作製したSi微粒子についても実験を行った.色素層としては,従来のRohdamine Bの他ににDCMを用いた.また,単純な蛍光スペクトルの測定に加えて,蛍光励起スペクトル,微粒子層の減光スペクトル,散乱スペクトルの測定を行った.また,理論的には電場増強度Q_<NF>の計算に,微粒子のサイズ分布を取り入れた. これらの測定と計算を通じて,以下のような結果が得られた.1)Rhodamine B分子と同様に,DCM分子でも,クエンチ無しでの蛍光増強が見られる.2)サイズの大きいGaP微粒子での蛍光増強では,蛍光励起スペクトルにピークが現れる.3)励起スペクトルのピークは,サイズ分布を取り入れたQ_<NF>の計算結果と定性的に一致する.これらのことは,非金属微粒子層上の有機分子の蛍光増強は,電磁気学的なメカニズムで生じており,特に入射光側の共鳴が増強に効いていることを示唆している.
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