配位環境が誘起する新規フォトクロミックシステムの創出
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80214401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 厚志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50437753)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | フォトクロミズム / 白金錯体 / 配位環境 / 結合異性 / 銅錯体 / 両座配位子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光により誘起された配位構造の変化が連鎖的もしくは協奏的に集積構造の変化に波及してクロミズム現象として現れる、新しいタイプのフォトクロミック系の構築である。22年度は光構造変換を誘起するために、チオシアン酸イオン等の両座配位子を含む錯体の光誘起結合異性化や中心金属イオンの光誘起酸化状態変化など、配位化合物特有の性質を利用した以下の3つの系の開発と機構解明を行った。 1.ジメチルスルホキシド銅(I)錯体のフォトクロミック挙動の解明と高性能化.昨年度までに見出した菱形骨格を有する銅(I)複核錯体、[Cu_2(μ-I)_2(dmso)_2(PPh_3)_2]のフォトクロミック発光の機構を解明するために、対応する臭素架橋錯体とともに構造化学的、分光学的検討を行った。また、ヨウ素架橋銅(I)複核錯体は加熱により二量化が起こり、強発光性の四核錯体[Cu_4(μ-I)_4(PPh_3)_4]が生成することが確認された。 2.チオシアナト白金(II)錯体の光誘起結合異性化によるフォトクロミズムの発現.以前に見出している[Pt(SCN)_2(bpy)]の光誘起結合異性化を基盤に、多孔性水素結合ネットワークを形成する[Pt(NCS)_2(H_2dcbpy)]および柔軟集積構造を形成する[Pt(NCS)_2(dCnbpy)]を構築した。これらが熱や蒸気に対して応答性を示すことを見出した。また、溶液中では光により結合異性化が誘起され、これに伴う発光変化を観測した。 3.白金複核錯体の酸化状態の光制御に基づくフォトクロミズムの発現.アミダト架橋シクロメタレート型白金(II)複核錯体がアセトン中可視光照射により紫色⇔無色の可逆的な色変化を示すことを見出した。光励起による酸化状態の変化と混合原子価状態生成に伴う集積構造変化が起こっていると考えられ、フォトクロミック挙動を示す混合原子価白金錯体として明確に示された初めての例である。
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Report
(2 results)
Research Products
(35 results)